二刀流・朱里が2.1K−1中国大会参戦 原動力は「オンリーワンになりたい」

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「勝ったら自分の価値も上がる」

2月1日に中国で行われるK−1に初参戦するキックボクシングのKrush女子王者とプロレスのCMLL女子王者の二冠王・朱里 【スポーツナビ】

 キックボクシングでは10戦全勝の無敗を誇るKrush女子王者、プロレスではCMLL女子王者として君臨する朱里が2月1日、中国・湖南省長沙市で行われる「K−1 CHINA vs. JAPAN」でK−1デビューを果たす。53キロ契約の3分3R・延長1R、対戦相手は中国の散打王者ウ・メイディエとなった。KrushのリングでもK−1参戦を前から公言していた朱里にとって、どのような想いでこの大会に臨むのか。都内ボスジムで練習する朱里をキャッチした。

 昨年12月21日のKrush仙台大会でグレイシャア亜紀とのV2戦に勝利し、12月26日は華名とのREINA世界シングル選手権試合(結果はレフェリーストップで敗戦)、1月12日には渋谷シュウとのCMLL世界女子選手権(結果は勝利)とプロレスで2つのタイトルマッチを行った。そして1月中旬にK−1出場が決定し、2月1日に中国で試合とハードな日程となったが、「コンディションに問題はない」ときっぱり。「かなりのビッグマッチだと思うので勝ちたい。勝ったら自分の価値も上がる」と闘志をみなぎらせる。

「女子には力負けしない」

勝敗のカギとなるミドルキックを打ち込む朱里 【スポーツナビ】

 対戦相手はことし早くも3試合目となる中国の散打王者でサウスポーのメイディエ。「中国で一番強い。すごいパワフルで男みたいな選手。ハンドスピードも速く、散打みたいなサイドキックも使ってトリッキーな感じでやりにくそう」と警戒する。サウスポーと対戦するのも11戦目で初めてのこと。

 ただ、「リングで向かい合ったときにどうなるか分からないけど、女子には力負けしないとは思う。自分も突進力があるので、圧負けしないように、蹴りを使ってパンチからミドルキックとバランスよく攻撃していきたい」と勝利へのイメージはつかんでいる。また、初のK−1で派手な試合にしたいと欲が出そうなものだが、そこは「まずは勝つことにこだわりたい」と冷静な部分も見せた。

気持ちの強いサップで“朱里サップ”

現在55キロの朱里だが、60キロ近い男性相手に持ち前の突進力を披露した 【スポーツナビ】

 日ごろ朱里を指導しているボスジムの田島剛トレーナーは「スタミナとフィジカルの強さは世界レベル。プロレス特有の首を鍛えていることもあって、当たり負けもしない」と評価する。その特長を存分に生かし、相手の攻撃をかわして間合いを潰して相手を削る戦い方を伝授してきた。

 ファイトスタイルのイメージとしては「すごい気持ちの強いときのボブ・サップ。たまに“朱里サップ”って呼んでいます」と笑う。今回も中国の強豪が相手とはいえ、「朱里の形がはまれば8割、9割は勝てると思っている」と信頼を寄せる。

男子に負けない突進力とスタミナ

仮想・対戦相手のウ・メイディエが駆使するサイドキックをさばいて距離を潰す動きを繰り返した 【スポーツナビ】

 この日のスパーリングでは、現在55キロという朱里に対して、メイディエを見立てたサウスポーで、60キロ近い男性2人を交互に、3分スパー、1分休憩を1時間ぶっ続けで敢行。サイドキックなどをさばいてショートパンチ、右ミドルで距離を潰してから一気にパンチの連打という流れを繰り返す。

 男性のパワーにも負けずフィジカルの強さを生かした突進力を披露。さらに、1時間近くを経過しても手数が減らず、組み合いでもまったく押し負けないで相手を転がすスタミナを見せた。

日本でのK−1出場を狙う

「オンリーワン」になるために今後も二刀流を続けていくという朱里。キックボクサーとしては、日本のK−1のリングを目指す 【スポーツナビ】

 1月18日のK−1を観戦し、「お客さんも多かったし、華やかさがあった。もっともっと強くなってあのリングに上がりたい」と強い刺激を受けた。プロレスラーとして日本でのK−1出場を狙う朱里にとって2月1日は重要な一戦になるのは間違いない。

 二刀流をやり続ける原動力となっているのは、「オンリーワンな存在でいたいから」。これからも孤高の道を歩み続ける朱里がK−1初参戦でどのような戦いを見せるのか注目だ!
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