努力、誠実さ、献身性を併せもつ22歳。周囲へのリスペクトを胸に、初先発の舞台に立つ
京都産業大学から新加入したアーリーエントリーのソロモネ・フナキが、初の先発メンバー入りを果たした。すでに第9節・トヨタヴェルブリッツ戦に途中出場でデビューし、続く前節・埼玉パナソニックワイルドナイツ戦にも後半26分から出場するなど、日本トップのレベルを体感済みだ。「大学とはフィジカルが全然違っています。ずっとファイトを続けることに集中したいです」。今節の7番は優しい語り口に、強い向上心を込めた。
チームを率いるデイブ・レニー ヘッドコーチは、アーリーエントリーの選手に強く求めてきた。「神戸Sにアーリーエントリーで来た際に、そこからプロとしての選手になるのではなく、早めの段階からしっかりとメンバー争いをできる位置にいてほしいと話してきた」。今回のフナキの先発抜擢には「しっかりといいパフォーマンスを出した結果がいまの位置にいる」と目を細める。
出身はトンガ。中学3年生のときに父親を病気で亡くした。以来、働くこと、信頼される存在になることと向き合ってきた。目黒学院高校からのオファーは「自分の将来のためにもチャンスだった」という。日本語を習得し、さまざまなことを学び、労苦に挑んだ。
レニー ヘッドコーチはフナキのフィジカリティーとともに「ワークレート(仕事量)の高さ」も評価する。「京都産業大学の試合を見ても80分間、パフォーマンスを出せる能力、エンジンをもっているのが分かる」。ただ、当のフランカーは「僕はそんなに高くないと思っているんですけど……」と照れ笑いを見せつつ、こう意気込みを語っている。
「ここまで自分のことを支えてくれた人、サポートしてくれた人たちに、本当に感謝したいです。その人たちの力のおかげで、“ソロモネ・フナキ選手”はスティーラーズに入っています。自分のもっている力を100%出していい結果になればと思っています」
努力、誠実さ、そして、献身性――。22歳は多くの人へのリスペクトをこめて、初先発の舞台に立つ。
(小野慶太)
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