国境を越えた連携で費用は主催者が負担 アジアゴルフ界で急成長する東南アジアのジュニアたち
東南アジアでは、ほぼ毎週世界アマランク対象の試合が開催
筆者も世界アマチュアランキングの公式サイトでジュニアのイベントサイトをチェックしてみた。イベントタイプのジュニアとカテゴライズされている試合は確かにマレーシア、タイなど東南アジアの各国では頻繁に試合が開催されているが日本での開催は少なかった。
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日本勢が世界アマランクで低迷、背景にルール改正と試合環境の違い
現在の日本男子の最上位は隅内雅人(95位)、女子の最上位は新地真美夏(31位)。一方、東南アジア勢を見ると、男子はタイの選手が20位、女子はマレーシアの選手が3位と、ランキングでの存在感を増している。
背景にあるのは、世界アマチュアランキングの順位を決めるWAGRポイントの変化だ。日本のプロツアーでは他のツアーに比べてアマチュアがプロの試合に出場しやすく、プロの試合で上位に入るとWAGRポイントを得られて順位を上げやすくなっていた。現在は世界的にポイントの計算方法が変わり、日本の男子プロ大会のポイント価値が相対的に下がっており、同程度の成績で得られるWAGR上の評価が以前より小さくなった。
また、前述したように世界アマチュアランキングの対象試合が少ない日本は、その点でも不利な立場に置かれているのかもしれない。
マレーシアでは州政府系企業がゴルフをスポンサード
話を伺ったのはゼネラルマネージャーのハイルル・ザイニ(Hairul Zaini)氏。このゴルフ場の成り立ちについて、「もともとの目的は、一般の人にゴルフを広めることでした。当時、マレーシアのゴルフ場はどこも高額の会員制で、庶民には手が届かなった。そこでここにマレーシア初のパブリック・ゴルフコースを作ったんです」と話してくれた。
さらにジュニア育成にも力を入れているという。「『PKNS Golf』は、ゴルフの普及とジュニア育成を支援しています。初心者からエリートまで、段階的な育成プログラムを用意。政府が設けたナショナルジュニア育成プログラムに沿い、各州で選手を育て、州代表からナショナルチームへと送り出す仕組みです。エリートグループは州政府がスポンサーを務め、約20名が所属。週末には合同練習を行い、優秀な選手は州代表、さらにはマレーシア代表として活躍するチャンスを得ます」。
また、ジュニアの試合はマレーシア各地で開催されていて、若手選手たちは競技経験を積み、世界で戦う力をつけてきているそうだ。「いつかセランゴール州生まれの選手が世界チャンピオンになることを楽しみにしています」とザイニ氏は笑顔で語った。
マレーシアでは州政府がバックアップし、ジュニア育成を強化。国際舞台で戦える選手を生み出すための土壌が整っている。