五輪代表権懸かる日本カーリング選手権近づく 男子は群雄割拠、女子はロコ・ソラーレ一強ではない!?

奥岡幹浩

連覇狙う男子コンサドーレ

24年日本選手権を制した男子コンサドーレ 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 男子も拮抗ムードが漂う。そのなかで、前回優勝のコンサドーレがやや抜け出そうとしている状態か。前回の24年日本選手権開幕前までは、SC軽井沢クラブが大会2連覇中で、五輪出場経験のある両角兄弟擁するTM軽井沢も存在感を発揮。長野を拠点とする両チームの存在感が強かったが、コンサドーレの上昇により勢力図が変化した。

 経験豊富な阿部晋也がサードでスキップ、清水徹郎がフォースを担う布陣に、札幌国際大から佐藤剣仁が新加入。チーム力に厚みが増した。世界選手権への切符を懸けて日本代表として出場したパンコンチネンタル選手権(PCCC)では、世界チームランキング3位の強豪チーム・グシュー(カナダ)から金星を挙げるなど準優勝。上位5カ国が手にする世界選手権の出場枠を日本にもたらした。世界チームランキングでTM軽井沢らと国内トップを争っているが、最新ランキングでは僅差ながらもついにトップに浮上した。日本選手権決勝3日前の時点でもランキング国内首位に立ち、そして大会連覇を果たした場合、その時点でミラノ五輪に向けた日本代表候補に決定する。

 メンバー全員が20代前半と伸び盛りのチームがロコ・ドラーゴだ。女子ロコ・ソラーレの〝弟分〟にあたるチームで、前回の日本選手権では3位に入った。今季は11月にカナダのツアー大会で準優勝に輝いた。常呂ジュニア(ドラゴン)のチーム名でジュニア時代から大人のチームに混じって活躍し、21年日本選手権準優勝。勢いだけでなく実績も申し分ない。

 22年、23年と2連覇したSC軽井沢クラブは、前回の日本選手権決勝でコンサドーレに3-8で完敗。今大会には、その悔しさを晴らすべく臨む。24年12月の軽井沢国際選手権では準優勝し、地元ファンを盛り上げた。フォース栁澤李空が23歳、サード山口剛は40歳、セカンド山本遵は18歳、元中学教師の小泉聡は36歳と、幅広い年齢層で構成される。

 TM軽井沢は、18年平昌五輪出場経験を持つ両角友佑と公佑の兄弟が核となってきた中で、当時スキップとしてコンサドーレを日本選手権3連覇に導いた松村雄太が2季前から加入。スキップ両角友、サード松村の体制が成熟しつつある。

 なお男女とも、ミラノ五輪出場枠は24、25年の世界選手権の成績によってまず決まる。今回の25年日本選手権を優勝したチームが、25年3月開幕の世界選手権(女子韓国、男子カナダ)に出場。そこで出場枠を得られなかった場合は、10月の五輪最終予選予備予選、そして12月の五輪最終予選へと回る。

 ミラノへ続く長い道のり。五輪を目指す国内の精鋭が、日本代表の座を懸けて横浜で熱闘を繰り広げる。

2/2ページ

著者プロフィール

1975年三重県生まれ、日大芸術学部卒。大学在学中からフリーライターとして約15年間活動したのち、総合週刊誌「サンデー毎日」(毎日新聞社)契約記者に。その後、時事通信社でプロ野球などを取材。19年秋に日刊スポーツ新聞社へ移り、五輪競技などを担当する。プロフィール画像は21年6月、当時幼稚園年長の一人娘が手がける

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント