ハンドボール女子日本選手権 大阪体育大学が残り2分で熊本を逆転し4強 大学の下剋上なるか

大阪体育大学
チーム・協会
 第76回日本ハンドボール選手権大会(女子の部)は12月20日(金)、福井県あわら市のトリムパークかなづ多目的体育館で準々決勝が行われ、リーグH(日本リーグ)勢以外で唯一8強に進んだ大阪体育大学は、熊本ビューストピンディーズ(前オムロン)に23―21(前半9―11)で逆転勝ちした。21日(土)午後2時半からの準決勝で、ブルーサクヤ鹿児島(前ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング)と対戦する。大会5連覇中の北國ハニービー石川(前北國銀行)は香川銀行シラソル香川に22―28で敗れた。

石川空 【大阪体育大学】

 「九分九厘、負けと思った」。楠本繁生監督は残り2分で逆転した試合を振り返った。大体大がリードしたのは、前半の一度だけでほんの数分間。試合のほとんどを熊本がしぶといディフェンスで優勢に進めた。大体大は後半の開始早々、2度も相手の反則から7mスローを得たが、エース石川空選手(体育学部4年、大分鶴崎)がいずれも相手GKの好守に阻まれ、後半12分には4点差を付けられた。

タイムアウトを取って指示を出す楠本繁生監督 【大阪体育大学】

 しかし、そこから石川選手がチームを引っ張る。21分に同点ゴール。27分にも20―21から同点ゴール。28分に濵口まお選手(体育学部4年、四天王寺)のシュートでついに勝ち越し、残り1分で石川選手の16点目のシュートで突き放す。粘る相手のシュートをGK比嘉楓選手(体育学部3年、那覇西)がブロックしてガッツポーズし、逃げ切った。
 劣勢から粘り、逆転できた要因について、楠本監督は「最後は選手の意地」と話す。

奥山紗彩 【大阪体育大学】

 大阪体育大学は、昨年は4強、2020年、19年は準優勝。実業団の強豪に後一歩ではね返されてきた。
 他競技の天皇杯・皇后杯なども含め、大学が実業団を破って日本一の天下を取ることは至難の業だが、5連覇中だった北國石川が敗れるなど、今年の日本選手権は波乱の展開だ。石川選手は「大学最後の試合なので、負けられない」。下剋上はあるのか。

坂下碧 【大阪体育大学】

 大会は1回戦から「動画時代! YouTubeチャンネル」でライブ配信されている。
 22日(日)午後2時の決勝は、NHK Eテレで生中継され、東京五輪男子日本代表キャプテンの土井レミイ杏利氏が解説を務める。

<準々決勝結果>
香川銀行28―22北國石川
アランマーレ富山26―22三重バイオレット
ブルーサクヤ鹿児島30―29イズミメイプルレッズ
大阪体育大学23―21熊本

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