FA市場最大の目玉ソトに佐々木朗希の獲得なるか 今後のドジャースの戦力補強を占う
MLB挑戦を表明した佐々木朗希(ロッテ) 【写真は共同】
ということで、昨年はそのこだわりが捨てきれず、代理人のギリギリまで焦らし、複数球団を競わせて最高額を引き出す戦略が失敗し、契約が3月までずれ込んだスネル。開幕に間に合わず、急仕上げが災いして最初の3ヶ月は故障で6試合しか先発できなかった。
その反省もあってか、今年は早々に決断。契約総額は5年で1億8,200万ドル(契約ボーナス5,200万ドル、後払い分6,600万ドル含む)と満足のいく額だったはずだが、12月3日の会見では、「This is where you want to play(誰だって、ここでプレーしたい)」と話し、“I” ではなく、“You”を使ったことに、含みが感じられた。
ややムラがあり、制球の悪さなども考えると過大評価とも映るが、これがいまのMLBの相場か。一部ファンからはその資金をテオスカー・ヘルナンデスとの再契約に使った方が良かったのでは? との指摘もあるが、ドジャースとしては1〜2番手を任せられる先発が必要だった。
来季も悩みの種は先発投手か
ブルペンで投球練習を行う大谷翔平(ドジャース) 【写真は共同】
大谷に関してはデイブ・ロバーツ監督が4日、日本で行った会見で、「(開幕時点での)大谷の二刀流は正直ちょっと難しい」と明かした。決して左肩脱臼の手術の影響で“間に合わない”ということではなく、来年はイニング制限が設けられるので、プレーオフで登板することを想定すれば、開幕からは投げさせられない、ということ。今年、2度目のトミー・ジョン手術からの復帰を果たしたウォーカー・ビューラーのケースでも、今季初登板は5月だった。
他の投手に関しても、多かれ少なかれ制限が適用される見込みで、となると、FAとなったビューラー、ジャック・フラーティの移籍が濃厚の中、来年の開幕ローテーションは山本由伸ぐらいしか計算できる投手がいないという状況だったのだ。ここに佐々木朗希が加わるかどうか不明だが、クレイトン・カーショーと再契約するにしても、どこまで計算できるかわからない。ボビー・ミラーはそもそも状態が不安定。それぞれの負担を軽くする上でも、ドジャースはスネルを必要としていたのである。
ドジャースへの入団会見を行うブレーク・スネル 【Wally Skalij/Los Angeles Times via Getty Images】
パドレスのタナー・スコット(過去2年は146試合に登板し、防御率2.04)、フィリーズのジェフ・ホフマン(過去2年は122試合に登板し、防御率2.28)、フィリーズのカルロス・エステベス(過去2年で57セーブ)らがFAで、彼らを狙う選択肢はあるが、本命は今季49セーブを挙げたライアン・ヘルズリー(カージナルス)をトレードで獲得することか。もちろん、ガーディアンズがエマニュエル・クレースを放出するというのなら、ドジャースは動くかもしれないが、年俸の低い契約があと2年も残っているので、相当な交換要員を要求される。