FA市場最大の目玉ソトに佐々木朗希の獲得なるか 今後のドジャースの戦力補強を占う

丹羽政善

複雑化する“内野のパズル”

今季は内外野を守ったムーキー・ベッツ(ドジャース) 【Gina Ferazzi / Los Angeles Times via Getty Images】

 それより、ノーラン・アレナドの契約(残り3年、7,400万ドル)を引き受けるというのなら、カージナルスもヘルズリーの話に耳を傾けるだろう。そもそもヘルズリーは来オフ終了後にFAなので、再建中のカージナルスとしては、プロスペクトとの交換を視野に入れている。

 もちろん、三塁手のアレナドを獲得した場合、マックス・マンシーをどう起用するか、という問題が発生する。

 ドジャースはそもそも内野が混み合っている。ムーキー・ベッツが内野に再コンバートされることが決まっており、ドジャースはミゲル・ロハスのオプションも行使。再契約したトミー・エドマンは本来内野手ではあるが、センターを守ることもできるので、外野での起用が多くなりそうだ。ここにアレナドが入ると打線に厚みが増す一方で、内野のパズルが複雑になる。

 マンシー本人は「ファール・テリトリー」というポッドキャストに出演し、「外野でもどこでも守れと言われたところを守る」と話したが、そこまで器用なタイプではない。

 逆にドジャースの外野は、2つもポジションが空いている。現時点で、エドマンがセンターを守るとして、レフトとライトが空席だ。フアン・ソト(ヤンキースからFA)を狙って、ダメならヘルナンデスと再契約というシナリオかもしれないが、後者の方が現実的。両獲りはさすがに想定し難い。残りのポジションは、アンディ・パヘス、ジェームズ・アウトマンで埋めるしかない。キケ・ヘルナンデスとも再契約すれば、内外野でフレキシブルな起用ができる。

フアン・ソトの行方は

ヤンキースからFAとなったフアン・ソト。FA市場最大の目玉だ 【Photo by Daniel Shirey/MLB Photos via Getty Images】

 ということで、今後の動きを整理するとこうなる。

先発:後は佐々木郎希狙い? ダメだった場合のバックアッププランは?
リリーフ:トライネンと再契約後、ヘルズリーをトレードで獲得?
内野:アレナドをトレードで獲得? マンシーは?
外野:ベッツが内野へ再コンバート。空いた右翼にはソト? テオスカー・ヘルナンデスと再契約して左翼固定? 両獲り可能?


 なお、選手ではないが、ドジャースは2014年から18年までGM(ゼネラルマネージャー)を務め、19年からはジャイアンツの編成本部長としてチーム編成を取り仕切ったファーハン・ザイディを呼び戻すかもしれないとのこと。

 ザイディは10月にジャイアンツを解任されたばかりだが、セイバーメトリクス、STATCASTのデータに精通。スカウティングと育成の両面で鼻が利く。実現すれば、大きな“補強”となる。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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