サッカーと野球~プロスポーツにおけるコンバートの意義

コンバート成功者ランキング【プロ野球編】 「最高傑作」は4年目に投手から内野に転向したあの名手

平尾類
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山田(左)は遊撃、近藤(右)は捕手でプロ生活をスタートしたが、いずれもコンバートによって守備の不安が解消され、打撃の才能が大きく開花した 【写真は共同】

 プロ野球の歴史を紐解くと、投手から野手に転向したり、守備位置の変更で野球人生が大きく変わった選手がいる。プロ入り後に野手から投手になって輝いた珍しいケースもある。ここでは現役選手、すでに引退した選手を含めて、プロ野球の世界で大成功したコンバートを選び、10位からランキング形式で紹介する。
★=現役選手

王氏や現役の村上のようなケースは対象外

 一口にコンバートと言ってもさまざまなケースがある。

 例えばプロ入りして間もなく投手から野手に転向した王貞治氏(元巨人)や福浦和也氏(元ロッテ)、投手で通算11勝を挙げたが入団時から「投打の二刀流」だった川上哲治氏(元巨人)。また捕手で入団して新人の年に他のポジションに移った衣笠祥雄氏(元広島)や江藤智氏(元広島ほか)の例もある。現役の村上宗隆(ヤクルト)もドラフト指名時は捕手で、プロに入って三塁を守るようになった。

 だが今回は、「伸び悩んでいた選手がコンバートによって素質を開花させた」という基準で選んだため、上記のようなケースはランキングから外した。プロ入り後、少なくとも数年プレーしたポジションで芽が出ず、他のポジションに移ったことでキャリアが大きく開けた選手のランキングだ。

 ポジションを変えた後の攻守両面での貢献度に加え、「コンバートで劇的に野球人生が変わった」というインパクトも重視し、順位をつけた。

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10位:近藤健介(現ソフトバンク)★

 外野専任になったのは、プロ9年目の2020年と意外に遅い。日本ハムに捕手で入団して4年目の15年にリーグ3位の打率.326をマークしたが、盗塁阻止率が1割台とスローイングに難があったため、翌年以降は外野を守る機会が増えた。ただ19年は外野のほかに三塁で30試合先発出場し、最高出塁率のタイトルを獲得している。

 ソフトバンクにFA移籍して1年目の昨季は、自身初の本塁打王と打点王に加えて、外野手としてゴールデングラブ賞を初受賞。今季は首位打者を獲得と全盛期を迎えている。
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著者プロフィール

1980年4月10日、神奈川県横浜市生まれ。スポーツ新聞に勤務していた当時はDeNA、巨人、ヤクルト、西武の担当記者を歴任。現在はライター、アスリートのマネジメント業などの活動をしている。

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