2024ドラフトから予測する未来~1年目のブレイク候補は誰だ?

下位・育成指名で目を引く捕手の有望株 24年ドラフトの隠れた即戦力候補【野手編】

西尾典文
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中日から4位指名された石伊の最大の武器は、二塁送球タイムが1.8秒台の強肩。課題だった打撃もレベルアップ中で、レギュラー争いに食い込む可能性は十分だ 【西尾典文】

 たとえドラフトの指名順位は低くても、プロの世界でいきなり活躍する選手は確かに存在する。2024年ドラフトで下位・育成指名された選手の中で、即戦力となる可能性を秘めているのは? 「投手編」に続いて、ここでは「野手編」を見ていくが、下位に捕手の有望株が多いのは、今年の特徴の1つだろう。

中日のチーム事情も石伊にはプラスに

 支配下4位以下、および育成ドラフトで指名された野手で、1年目から一軍の戦力となれるのは誰か。

 最も期待値が高いのは、石伊雄太(捕手/日本生命→中日4位)だろう。近畿大工学部時代からその強肩は評判で、3年秋には大学日本代表候補にも選出されている。

 大学4年時にはプロ志望届を提出しながらドラフト指名はなかった。しかし社会人の強豪・日本生命で1年目から正捕手に定着。今年も攻守にわたって活躍し、チームの都市対抗野球出場に大きく貢献した。特に評価が高いのがディフェンス面で、正確なスローイングと安定したキャッチング、ブロッキングはレベルの高い社会人の中でもトップクラスだ。大学時代の課題だったバッティングも確実にレベルアップし、今年はクリーンアップを任される試合もあった。

 中日はレギュラーの木下拓哉が今シーズンに大きく成績を落とした。控え捕手の宇佐見真吾、加藤匠馬の2人も30歳を過ぎ、さらに次代の主力候補である石橋康太もなかなか一軍に定着できずにいる。そうしたチーム事情を踏まえても、早い時期から一軍のレギュラー争いに加わってくる可能性は大いにありそうだ。
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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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