【山田二千華×林琴奈】新チーム名で「SVリーグ初代女王」を狙う同級生ライバルが対談

坂口功将

NECレッドロケッツ川崎の山田二千華(左)と大阪マーヴェラスの林琴奈(右) 【写真:坂口功将】

 バレーボールの2024-25 大同生命SV.LEAGUE WOMEN(SVリーグ女子)は10月12日(土)に開幕する。今回は、昨季のV.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)で優勝を争った2チームよりNECレッドロケッツ川崎の山田二千華選手と大阪マーヴェラスの林琴奈選手にお互いのことやシーズンへの意気込みを語ってもらった。

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初めて会ったのは中学生の選抜合宿

――2人は同級生で、林選手は日本代表でも“いじられポジション”ですが、お互いの普段の距離感は?

 山田選手は“ほわぁ”としている印象です。

山田 特に林選手のことをいじるわけでもなく、傍観しているんです。

 私がいじられるのを見ている平和主義な山田選手で。

山田 最近、同部屋になることもないよね?

 そう! 私たちだけなくて、いつも「なんでなんやろう?」と思っています(笑)

――まずは馴れ初めから聞かせてください。

 かなり前からお互いのことは知っているよね?

山田 初めて会ったのは中学生の選抜合宿かな。

 中学3年生の頃だ。その頃の山田選手の顔は覚えています。

山田 当時の私は学校もほぼ無名に近かったし、逆に、林選手は全国区の金蘭会中学校(大阪)だったので、「すごいチームでやっている子だぁ」と思っていました。

 私も名前だけは有名で(笑)。でも、そこから山田選手がどんどんすごくなっていった印象が強いです。試合会場で会うたびに「めちゃくちゃうまくなっている!」と感じていました。

山田 結局、高校時代に対戦する機会はなかったけどね。

――高校を卒業後、お互いにVリーグに進みました。対戦機会もあったと思いますが

山田 でも、私は1年目、ユニフォームを着れていなんです。

 え、ホンマに!? 最初からコートに入っていると思っていた。学生時代から山田選手はアンダーエイジカテゴリー日本代表で国際大会も経験して、勝負強さや勝負勘が備わっているなと感じていました。アタックはもちろん、ブロックも高さがあって「打ちづらいな」と警戒していましたから。

山田 林選手は、もうずっとチームの中心としてプレーしている印象です。「林琴奈がチームを回している」のがひしひしと伝わってきましたし、それこそディフェンスでもオフェンスでもいちばん頼りにされているな、って。

 山田選手はブロックの割り切りや、「この場面では、この選手をマークする」といったことにしっかりと頭を使っている印象です。ブロックシャットの本数も多いですし、そっちに打ったら「ブロックにかかるんだろうな」と陥れられるような。

山田 陥れる(笑)

 でも一緒に日本代表で世界と戦っていると、大事な場面でブロックポイントを叩き出すので、「ホンマにありがとう〜」といつも思っています。

山田 嬉しいですね! 林選手は強打に加えて、プッシュなど緩急を使ったアタックを繰り出してきます。それで得点されると、ブロッカーとしてはそのあとのプレーで、「あれもある、これもある」と迷いながら跳ばなくてはいけなくなります。的が絞りづらくて、抑え込みづらい…一言でいえば“嫌なアタッカー”です。

 とはいえ、昨季は大事な試合でやられたのが多かったです。皇后杯(全日本バレーボール選手権大会)に、Vリーグ…。山田選手とは試合でも最低1度はマッチアップするかな? ただ、そんななかでも私たちが山田選手のNEC川崎に対して苦手意識が強くて。むしろ得意としているのかなと感じていたけれど…実際はどう?

山田 確かに。(林の大阪MVが)私たちを嫌がっているのかな、とは昨季感じたかも。自分たちが押せば押すほど、相手が下がっていく感覚はありました。

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著者プロフィール

ライター。大学時代に“取材して伝える”ことの虜になり、母校の体育会ラグビー部で専属記者兼カメラマンを務めたほか、「月刊バレーボール」(日本文化出版)を経て、2024年から独立。読者の心が動く原稿を書けるように現場を駆け回る。競技問わずスポーツ界のユニフォームに深い造詣を持ち、所持数はゆうに100枚を超えるコレクターでもある。

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