大学1年から躍動する元甲子園スター 秋季リーグでも逸材ルーキーから目が離せない

左から大商大・真鍋(広陵)、慶大・丸田(慶応)、中大・東恩納(沖縄尚学)。昨年、甲子園を沸かせた選手たちが大学に舞台を移して早くも結果を残している 【写真は共同】

 高校時代、甲子園の大舞台で輝いた選手たちが大学でも1年目から躍動している。特に目立つのが、U-18日本代表として昨年のワールドカップで優勝を経験した面々だ。9月に入って各リーグが開幕した秋のリーグ戦でも、期待のルーキーたちから目が離せない。

夏の甲子園優勝メンバーでは捕手の渡辺憩が衝撃デビュー

日大三のエースとして昨夏の甲子園で全3試合に登板した安田は、早大でもすでに貴重な戦力だ。春にはリリーバーとして7季ぶりのリーグ優勝に貢献 【写真は共同】

 東京六大学では、U-18W杯で初の世界一を達成した高校日本代表組を中心に、1年生が春から活躍した。

 春季リーグ戦を制し、続く全日本大学選手権で準優勝した早稲田大では、安田虎汰郎(日大三)が最高のデビューを果たした。

 開幕節の対立教大1回戦。1-1の8回、右のエース伊藤樹(3年/仙台育英)からバトンを受けると、この回を無安打、1奪三振で無失点。直後の攻撃で味方が勝ち越し、初登板で初白星を手にした。

 日大三→早大の先輩、吉永健太朗さんから高校時代に教わった落差の大きいシンカーは、大学生の打者にも手を焼かせた。その後もリリーフとして登板を重ね、計7回3分の1を投げ、防御率0.00という文句なしの成績で、優勝に大きく貢献した。

 秋季リーグ戦も開幕節の東京大との2回戦に登板。9回を3人でピシャリと締め、好スタートを切った。

 早大では、仙台育英のエースとして昨夏の甲子園で準優勝した髙橋煌稀も春に救援として1試合を経験。秋は東大との2回戦で登板し、1回を無失点に抑えた。

 昨夏、髙橋煌の仙台育英に打ち勝って全国制覇を果たした慶応からは、1番打者だった丸田湊斗と捕手の渡辺憩が、慶応大でも春から出場機会を得ている。

 丸田は開幕節の東大との2回戦で代打デビューすると、いきなり安打でアピール。次カードの法政大2回戦では1番・中堅手で初スタメンを勝ち取るなど、春は6試合で14打数4安打の成績を残した。

慶大の渡辺憩は公式戦初打席でサヨナラホームラン。今秋リーグ戦は開幕節の3戦全てで先発マスクをかぶり、正捕手の座を掴みつつある 【写真は共同】

 圧巻だったのは渡辺憩だ。1勝1敗で迎えた対法政大3回戦の延長12回1死、代打で左翼席へサヨナラ本塁打を放つ衝撃のデビューを飾った。

 早慶戦では先発マスクもかぶった右打者は、高校時代から捕手としての冷静なリードに定評があったが、春は13打数7安打2本塁打と、バットでも大きな存在感を示した。

 慶大ではほかに、報徳学園で昨春の選抜準Vを経験した林純司も春からリーグ戦に10試合出場した。

 秋の開幕節となった立大戦では、渡辺憩が全3試合に、丸田は3回戦で先発出場した。

 9月15日、東京六大学リーグ戦の通算4千号本塁打というメモリアルな一発を放ったのは、立大の1年生、小林隼翔(はやか)だった。6回に直球を振り抜いた打球は左翼席へ飛び込んだ。

 小林は広陵で昨夏の甲子園に出場。U-18では日本代表の主将も務めた。堅実な守備と広角に打ち分ける打撃で、立大では春季リーグ戦の途中から主に1番・遊撃手でスタメンにほぼ定着。秋は2番でスタートし、この一発を放った。

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著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

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