大学1年から躍動する元甲子園スター 秋季リーグでも逸材ルーキーから目が離せない
中大に進んだ仙台育英のリードオフマンが東都新人賞に
名門・横浜の遊撃手として1年夏から甲子園で活躍し、U-18W杯でMVPに輝いた緒方は世代の代表格だ。国学院大でも出番を得て、秋の開幕節では三塁手で2試合に先発 【YOJI-GEN】
春のリーグ戦で青山学院大と勝ち点4で並びながら、勝率の差で優勝を逃した中央大では、橋本航河(仙台育英)が全14試合に先発出場。高校時代から光っていたバットコントロールで、51打数14安打、打率.275の成績を残し、新人賞を獲得した。
投手では東恩納蒼(沖縄尚学)が、4月10日の対駒沢大2回戦で3回途中から9回まで無失点の好救援。デビュー戦で白星を挙げた。
すると6日後の国学院大との1回戦に先発。5回1失点にまとめ、2連勝を飾った。その後は勝利には恵まれなかったが、計21回あまりを投げ防御率3.38と安定した投球を見せた。
U-18組では緒方漣(横浜)も層の厚い国学院大でレギュラー争いに食い込んでいる。春のリーグ戦では14打数2安打と大学レベルのスピードに苦しんだ印象もあるが、うち1安打は本塁打。身長167センチと小柄ながら、秘めたパンチ力は魅力で、秋も先発で出場している。
秋の開幕節で中大に連勝した日本大は、スタメンに下級生が多く名を連ねる若いチームだ。U-18組ではないが、1年生ながら星野泰輝(山梨学院)が1番・右翼手、米津煌太(大垣日大)が3番・中堅手で出場した。
星野は昨春の選抜を制した山梨学院では2番打者。米津は高校時代、二塁手だったが大学では外野に挑戦し、春のリーグ戦では青学大戦で本塁打も放っている。
春を制した青学大では、青山達史(智弁和歌山)が外野の一角を奪った。身長185センチ・体重87キロの大型外野手。高校通算30本塁打の長打力が魅力の右打者で、8試合に出場した春に続き、秋は国学院大との開幕カードに9番・右翼手で3戦連続先発し、うち2試合で安打を放った。
聖光学院で甲子園に3度出場し、通算9試合で14安打を放った髙中は東洋大で1年春からレギュラーに。今秋は本職のショートでスタートし、打線では5番に座る 【YOJI-GEN】
春の首都大学を制した帝京大では、U-18組のスラッガー森田大翔(履正社)や日大三で2番打者だった池内仁海らが、秋のレギュラー争いに食い込もうとしている。
広陵のスラッガーと智弁学園の二刀流が大商大で異彩を放つ
世代屈指のスラッガー・真鍋は大学でもその打棒を見せつけている。秋は開幕からの4試合で計8安打。9月15日の龍谷大戦では通算2本目の本塁打を放った 【写真は共同】
広陵で左の大型スラッガーとして注目され、通算60本超の本塁打を放った真鍋慧は今春、全10試合に先発出場。龍谷大戦では右越え本塁打を放つなど、打率.333、1本塁打、9打点。新人賞にあたる平古場賞と指名打者のベストナインにも輝いた。
智弁学園、U-18と投打の「二刀流」で活躍した中山優月は、大学でもそのスタイルを崩していない。春は投手として3試合にリリーフし、計5回で防御率0.00。内野手としても4試合に先発出場し、打率.250、1打点だった。
大商大は春のリーグ戦を制し、全日本大学選手権に出場。ともに、大学での全国デビューを果たした。秋も開幕カードに揃って先発出場。チームの中心となりつつある。
大商大と秋の開幕カードで戦った神戸学院大では、竹内颯平(報徳学園)が内野の要、遊撃手に。昨春の選抜準優勝の経験はさすがで、大商大戦でも三遊間の難しいゴロを華麗にさばいた。
甲子園には出場していないが、秋のリーグ戦で大学デビューを果たした関西大(関西学生野球)の百合澤飛(ゆりさわ・たか)は今後注目していきたい選手だ。
島根・開星時代は県内でこそ名が知れた投手だったが、全国的にはほぼ無名の存在。身長189センチ・体重93キロという恵まれた体格で、大学入学後に球速を急激に伸ばし、最速は152キロに。9月7日の近畿大戦で、中継ぎ登板し、1回を無失点に抑えた。
<企画・編集/YOJI-GEN>