日本バレーボール界の底上げへ ヴォレアス北海道が創る「SVリーグの未来」
昨年、創設7シーズン目でV1昇格を果たしたヴォレアス北海道 【VOREAS,INC.】
東川町のふるさと納税プロジェクトとして開催されるサマーキャンプはオフィシャルトップパートナーの「DNX Ventures」の協賛により、高校生同士での試合だけでなく、ヴォレアス北海道との試合やメンタル、戦術を学ぶためにエド・クラインヘッドコーチの講義や、栄養講習などバレーボール選手としての将来を見据えたものも多く、参加校の監督からも「貴重な経験だった」と好評を博した。
まさにその“経験”こそが重要。そう話すのは、2016年、北海道に初のプロバレーボールクラブとして誕生したヴォレアス北海道代表の池田憲士郎氏だ。
「僕は高卒でプロになる選手がもっとでてきてもいいと思うんです。より高いレベルで挑戦することは、伸びしろを伸ばすためにはめちゃくちゃ大事なこと。早く挑戦して大きな壁にぶち当たることが重要で、そこを越えて成長する。極端に言えば在学中や、卒業後にすぐプロになる選手がもっと増えれば、SVリーグは魅力あふれるいいリーグになると思いますね」
念願のV1昇格で感じたギャップと手ごたえ
「二部や三部では話題性のあるチームだったので、そこそこ存在感があるという自負は持っていました。でも実際トップリーグに上がって見る景色は違っていた。Vリーグのコアなファンの方々でも、やはりトップリーグの中でも上位争いをするトップチームに注目が集まり、僕らのことは名前は知っている、派手な感じだけどよくわからないチーム、という印象なんだな、と。もっと知られていると思っていたのですが、まだまだだった、というギャップは確かにありました」
とはいえ、集客数を見れば前年までとは劇的に変わった。過去6シーズンの総動員数と、昨年1シーズンの動員数がほぼ同じ。これまで地道に続けてきた活動が実った成果と捉えることもできるが、理由は明確だ。池田氏が言う。
「単純に試合数が増えました。V2でホームゲームが8試合だったのに対してV1では18試合。運営の人数は変わらない中で3倍の試合をしなければならない難しさはありましたが、運営側にとってはSVリーグのスタートにつながるいいトレーニングになった。いろいろなマーケティングや戦略を駆使すれば、今年は倍以上の集客につながるだろう、という手ごたえも得られました」