車いすバスケ女子・北田千尋がキャプテンとして迎える2度目のパラ 初戦から“世界一”との対戦も「楽しみ」
2度目のパラを迎える北田に意気込みを聞いた 【スポーツナビ】
30日に行われるグループリーグの初戦から、昨年の世界選手権、東京パラリンピックでも優勝したオランダと対戦する日本。東京大会にも出場し、チームのキャプテンを務める北田千尋(LINEヤフー)にパリへ向けた意気込みを聞いた。(取材日:8月5日)
世界一のオランダとの初戦「楽しみ」
個人的にはすごい楽しみです。 東京パラリンピックで(パリでもグループリーグで対戦する)オランダ、ドイツとも対戦しているので、そこからどれだけ成長できたかを見られるチャンス。ほんとに早く試合したいなと思っています。
――パリパラリンピックは有観客で開催されますが、そこへの意識はありますか?
あまり気にしないのですが、アカツキジャパン(バスケットボール日本代表の愛称)の試合を見ていると、観客の応援がすごいので、こういう中でやったら気持ちいいんやろうなとは思います。
――東京パラリンピック後からキャプテンに就任しましたが、就任されて変わった部分はありますか?
最初はどうしたらいいんやろって「リーダーシップ」という言葉を辞書で調べたりもしましたが、(自分のキャラクター的に)頑張らないことがいいなと思い始めました。ですので、キャプテンだから、これをしないとというのはなくて、いつも通りやっていたら『またこいつ間違ったこと言ってるわ』みたいな感じで言ってくれたり、(チームの)みんなが助けてくれる、みんながしっかりしてくれた方がいいなと思ってやっています。ただ、自分ができることとして、明るい雰囲気作りだったり、話しやすい雰囲気を作ったりとか、(チームは)年齢差がすごく大きいので、そこを埋めるようなことはできるのかなと思ってやっています。
――8月5日に開催された壮行会で「心」という言葉を決意表明で掲げていましたが、その言葉を選んだ理由は?
私はこのチームが好きなので、そこに全力で私の「心」を持っていきたいし、みんなにもそこに「心」を集めて欲しいと思いました。また世界で戦う上で、(ほかのチームとは)体格が全然違うので、勝てる要素があるとしたら「心」だろうと思い掲げました。
――パラリンピックまで1か月を切りましたが、残り期間で強化したいポイントは?
自分たちのいいところをしっかり再認識すること。これは世界にぶつけられるところを確固たるものにすること。ただ、パラリンピックまでに仕上げなくてもいいと思っていて、パラリンピックの最後、このチームが終わる瞬間までそれぞれ成長し続けて、チームのために何ができるのかを考え続けて、最後に自分たちの3年間のベストゲームができたらいいと思っています。
――パラリンピックの初戦はオランダ。昨年の世界選手権で優勝したチームとの対戦になります。
すごいラッキーだなと思っています。(パリ五輪ではバスケットボールの)女子日本代表がアメリカで、男子日本代表がドイツ(2023年の世界選手権で優勝)と、初戦でそれぞれ世界1位のチームと戦いました。今回、車いすバスケも世界一のチームと対戦できる、これは運命じゃないかと思いましたし、私は個人的に強いチームと最初に試合ができるのがすごく楽しみです。東京パラリンピックの時にはオランダにボロボロにされているので(24-82で敗戦)、そこがどれだけ埋まっているか、ワンチャンいけるんじゃないかと私は思っているんですけど。世界一のチームと初戦で戦えるのは、日本だけの特権なので、それを最大限利用して、いい状態でベストゲームをまず初戦にすることが今の目標です。