3戦全敗の男子バスケにベンドラメ礼生が注文「上積みは感じた。でも“憧れるのはやめましょう”」
世界のトップ12と互角に戦えることを証明
自身が出場した東京五輪以上に悔しい思いを味わったというベンドラメ。「世界と対等に戦えることを自覚してほしい」と、特に控え選手たちにあえて厳しい注文も 【Photo by Gregory Shamus/Getty Images】
僕はこの試合、2人の動きだけを注視した時間帯があったんですが、彼らは一番体力が削られる体のぶつかり合いを繰り広げていて、本当に苦しそうでした。でも渡邊選手がディフェンスリバウンドを取ってくれたからスピーディーなオフェンスが生まれたし、ホーキンソン選手が試合を通してシールポジションを取り続け、速攻の先頭を走ってくれたから相手を疲労させられました。試合を見返す機会があったら、ぜひ2人のプレーをよく見てください。彼らがどれだけ体を張って戦っているか、どれだけこのチームを支えているかがよく分かると思います。
結局東京五輪に続き、パリ五輪も1次リーグ3戦全敗に終わりました。しかし、この2つの大会で日本の男子バスケットボールが得たものは、まったく違うものだと思います。僕も出場した東京五輪は、まず出場できたこと自体が快挙。全敗はもちろん悔しかったけれど、どこかお客さんのような気持ちだったのは否めませんし、大会後の振り返りも「やっぱり世界の壁は高かったね」というものでした。
でも、今回は違います。たった3試合ではあったけど、世界のトップ12チーム(世界ランキング3位のドイツ、9位のフランス、12位のブラジル)と互角に戦えることを証明し、東京五輪から3年間の上積みをしっかり見せてくれました。そして、選手たちは当然ですが、観戦していた人たちまでもが悔しくて眠れなくなるような試合ばかりでした。たった3年で、オリンピックで負けてこんなに悔しくなるとは思いませんでした。僕自身も「いい経験になった」とか、簡単にまとめられないくらい悔しいですし、今すぐバスケをしたくなりました。このメンバーのバスケをまだまだ見ていたいから、ワールドカップのように順位決定戦をやってくれればいいのにとも思っています(笑)。
男子バスケが2大会連続でオリンピックに出場するのは、1972年と76年の大会以来だそうですが、実に半世紀ぶりに「4年に一度」というオリンピックの重みを感じられた大会だったのではないでしょうか。
選手たちはみんな、頑張ってくれました。ただ、その中で少し注文を付けるとしたらオフェンスですかね。大谷(翔平)選手の「憧れるのはやめましょう」じゃないですけど、僕はもはや日本の選手1人ひとりが世界と対等に戦えると思っているので、それをちゃんと自覚してほしい。みんな「自分が1番」だと信じて思い切りプレーしてほしいし、世界を代表するチームの一員だということを胸に刻んで戦ってほしい。
特に今大会で控えだった選手たちには、「いや、お前らもっとできるだろ」「いつも通りにやれよ」と言いたいですね。Bリーグで彼らがいいプレーを見せたときには、「お前、それオリンピックでやれよ」と言ってやろうと思います(笑)
(企画・編集/YOJI-GEN)