【実は初対決!!】川崎公式なのにどこよりも詳しい(!?)上海申花プレビュー
【(c)AFC】
国内カップ戦優勝4回の強豪チーム
これまでACLでは2006年にベスト8を経験しているが、グループステージをなかなか突破できていない。2018年はJリーグ勢の鹿島アントラーズと同じグループHで戦い、鹿島とはホーム、アウェイともに引き分けだったが、5分1敗という成績で、最下位に終わった。コロナ禍のためセントラル開催だった2020年にはFC東京と同じグループFに入り、1勝1敗だったが、惜しくも3位で敗退している。これまでのACLで川崎Fとの対戦は一度もなく、今回のACLエリートが初めての顔合わせとなる。
監督はUEFAチャンピオンズリーグでベスト8を経験
今季から指揮を執るレオニード スルツキー監督 【(c)AFC】
スルツキー監督は就任1年目にして上海申花を同都市のライバルであり、元横浜F・マリノス指揮官のケヴィン マスカット監督が率いる上海海港と終盤戦まで優勝争いを演じており、中国での評価も高まっているようだ。基本システムは[4-3-1-2]で、中盤はダイヤモンド型、10番タイプの攻撃的なタレントをトップ下に起用する。現在の上海申花では元ポルトガルU-21代表のジョアン カルロス テイシェイラがその存在。想像力が高く、エレガントなテクニシャンだ。パスセンスもあるが、ミドルシュートの決定力が魅力の選手だ。
名実ともに「背番号10」を担うジョアン カルロス テイシェイラ(写真右) 【(c)AFC】
要注意は攻撃を担う外国籍選手&帰化選手
もう一人、危険なアタッカーがブラジル出身で、中国に帰化した左利きのMFフェルナンジーニョ(中国名・フェイ ナンドゥオ/費南多)だ。攻撃的なポジションなら前線を含めて、どこでもこなすことができ、個人としての突破力にも優れるタレントで、川崎Fにとっても非常に注意するべき存在であることは間違いない。そうした外国人選手や帰化選手に目は行きやすいが、他にも中国代表クラスの選手を揃えているのは上海申花の強みで、主に守備的なポジションでチームを支えている。主に中盤の左を担うウー シー(呉曦)は経験豊富なボランチであり、チャンスの起点にもフィニッシャーにもなれる。
前回大会時は山東泰山に所属していたフェルナンジーニョ(写真左)。中国代表として9月の日本代表戦にも出場した 【(c)KAWASAKI FRONTALE】
左右のサイドバックも大型選手であり、シンプルなロングボールを起点に上海申花のディフェンスを脅かすのは難しいが、それだけに川崎Fの特長がそのままアドバンテージになってくるかもしれない。ただし、セットプレーは要注意だ。上記のジャン シェンロンもそうだが、ゴール前でCKやサイドからのFKに合わせる5、6人の選手は180cmオーバーばかり。アンドレ ルイスやアマドゥなど、サイズだけでなく身体能力も高い選手を完璧に抑えるのはなかなか難しい。もちろん、セットプレーの対応力も問われるが、なるべくCKや危険な位置でのFKは与えたくない。
ここまでACLエリートでの戦いぶりを見ると開幕戦で、韓国の浦項スティーラーズを相手に4-1の大勝を飾る最高のスタートを切った。4得点とも後半で、2トップを中心とした爆発力は要注意に感じられたが、第2節はアウェイでマレーシアのジョホール・ダルル・タクジムに3-0で惨敗。現在は1勝1敗となっている。ジョホール戦では川崎Fも昨シーズンのACLで経験したスルタン・イブラヒム・スタジアムの雰囲気に飲まれた側面もあるかもしれないが、ペナルティエリアの両脇を取る攻撃に弱みを見せていた。また大外からのクロスにも、ディフェンスが高さの割にボールウォッチャーになって、相手アタッカーを見失って合わせられており、深い位置を取ってのクロスは川崎Fも積極的に狙っていくべきだろう。
文:EL GOLAZO
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