3戦全敗の男子バスケにベンドラメ礼生が注文「上積みは感じた。でも“憧れるのはやめましょう”」
ゴール下で体を張り続けたホーキンソンを中心に、第3クォーターに追い上げた日本だが、最後はブラジルに突き放された。それでも東京五輪とは明らかに印象が異なる 【Photo by Pool/Getty Images】
河村のアクションを待つ戦い方に終始して
大黒柱の八村が左ふくらはぎの負傷で離脱した影響は、やはり大きかった。とりわけオフェンス面で、河村の仕掛け頼みになってしまった印象は否めない 【Photo by Gregory Shamus/Getty Images】
このブラジル戦は、八村選手不在による良いところと良くないところの両面が出たように感じます。良かったのはディフェンスのローテーション。特に後半は本当に素晴らしかった。FIBAバスケットボールワールドカップ2023の予選から一緒に戦ってきたメンバーたちならではの阿吽の呼吸を感じましたね。ディフェンス力を買われてプレータイムが伸びたであろう馬場(雄大)選手もよく足を動かし、さすがというプレッシャーをかけていました。
反面、これまでは河村(勇輝)選手と八村選手の二軸でやれていたオフェンスが、終始河村選手起点になってしまいました。フランス戦では終盤の勝負どころで、河村選手が圧倒的な支配力を発揮してリードを奪いましたが、この試合では八村選手がいなかったことで最初から全開だった。そしてそれが通用したことで、周りが彼のアクションを待つ戦い方を選んでしまい、結果、オフェンスの攻め手が少なくなってしまったんじゃないかと思います。
河村選手、(ジョシュ・)ホーキンソン選手、馬場選手は、たしかに高確率で3ポイントシュートを沈めていました。ただ、もっとボールを動かしながら攻めたほうが相手は守りづらかったと思いますし、チームオフェンスの流れも良くなったんじゃないでしょうか。
特にウイングの選手たちがボールを持ったとき、3ポイントを打つかスイング(エンドライン側から3ポイントラインを反対サイドへ移動すること)以外の選択肢がなくなってしまったのはもったいなかった。比江島(慎)選手には1対1で崩せる力、吉井(裕鷹)選手や馬場選手には1〜2ドリブルでリングまで行ける強さがあるのに、河村選手のピックアンドロールなりドライブなりの仕掛けがないとシュートまでたどり着けない状態になっていた印象を受けました。
また、シューターの富永(啓生)選手がコートに入ったときは、彼に打たせるセットプレーを使ってあげてほしかった。彼はタフショットが持ち味の1つではありますが、この大舞台で1本目からディフェンスを背負って打つのは大変だと思います。
その点、ブラジルはしっかり3ポイントプレーをデザインして、より確率の高いシュートを選択していましたね。41歳のマルセリーニョ・ウエルタス選手も、34歳のビトル・ベニテ選手もベテランらしく、日本がなんとか決めたシュートを直後のポゼッションですぐに決め返してきましたし、チーム全体でも28本試投で17本成功、決定率61パーセントというとてつもない成功率を残しました。どちらかと言うと、日本がやりたいバスケをブラジルにやられてしまった印象です。