柔道の阿部詩・一二三が目指す、史上初の兄妹連覇 スケートボードは表彰台独占なるか【五輪前半の注目は?】

柴山高宏(スリーライト)

世代交代が進むスケートボード

 東京五輪で初採用された「スケートボード」、「サーフィン」、「スポーツクライミング」、「自転車競技(BMX)」。これらの競技に共通する、自分らしくあること、競技を楽しむこと、そして選手は皆同じ競技に取り組む仲間であり、成功しても失敗しても称え合うといったアーバンスポーツ特有のカルチャーは、観ている者に鮮烈な印象を与えたのではないか。

 なかでもスケートボード、とりわけストリートにおいて日本は圧巻の強さを誇る。今年6月にブタペストで行われたパリ五輪予選シリーズ第2戦では、日本勢が表彰台を独占。3枠をめぐる代表争いで5番手に後退するなど、一時はパリ五輪出場が危ぶまれた東京五輪金メダリストの堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が優勝し、2大会連続での五輪出場を決めた。

堀米雄斗 【写真:ロイター/アフロ】

 2位は小野寺吟雲。今年5月に更新された世界ランキングで6位から1位に浮上した、14歳の新鋭だ。3位は昨年の世界選手権を制した白井空良(ムラサキスポーツ)。男子ストリートは7月27日に予選、決勝が行われる。充実の布陣で、パリ五輪でも日本勢が表彰台を独占できるか。

 7月27日から31日にかけて行われるサーフィンは、東京五輪銀メダリストの五十嵐カノア(木下グループ)に、7月30日、31日に行われる自転車競技のBMXフリースタイル・パークは、五十嵐同様2大会連続での出場となる中村輪夢(ウィングアーク1st)に注目したい。

「はりひな」ペアで連覇なるか

早田ひな(右)と張本智和 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 7月27日から8月4日にかけて、シングルスと混合ダブルスが行われる卓球は、男女のエースに期待がかかる。

 男子のエース・張本智和(智和企画)は、シングルス、混合ダブルス、団体の3種目に出場する。2022年11月のアジア選手権では、日本勢として33年ぶりにシングルスで金メダルを獲得。世界ランキングは一時、2位にまで浮上した(現在は9位)。

 その張本とペアを組む、女子のエース・早田ひな(日本生命)は、東京五輪後に急成長を遂げた。2021年のアジア選手権ではシングルス、混合ダブルス、団体の3種目で優勝。今年2月の世界選手権ではシングルスで3位、団体の銀メダル獲得に大きく貢献。世界ランキングは5位をキープしている。

 東京五輪の混合ダブルスで、水谷隼/伊藤美誠(スターツ)組が中国勢を破って日本卓球界で初となる金メダルを獲得したことは、記憶に新しい。2019年からペアを組む「はりひな」の現在の世界ランキングは2位。日本勢は混合ダブルスで連覇を達成できるか、注目したい。

松山英樹が挑む2度目の五輪

 サッカーは開会式に先立ち、7月24日に1次リーグが開幕。同日に男子はパラグアイとの初戦に臨む。主将に任命された藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)、得点王を目標に掲げるFW細谷真大(柏レイソル)らU-23日本代表は、前大会以上の結果(4位)を残すことができるか。

 一方、女子は7月25日に開幕。初戦はFIFAランキング1位のスペインだ。2大会連続の出場となる長谷川唯(マンチェスター・シティ)、昨年の女子ワールドカップの得点王・宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)らがけん引するなでしこジャパンは、東京五輪、そして昨年の女子ワールドカップで残した成績(ベスト8)を超えることができるか。男女ともに注目だ。

 バスケットボールは男子が7月27日から8月2日にかけて、女子が7月28日から8月4日にかけて1次リーグを行う。東京五輪で準優勝し、日本に初のメダルをもたらした女子日本代表。初戦は前大会の決勝と同じ米国だ。五輪7連覇中の絶対王者を相手に、ジャイアントキリングを見せることはできるか。

 ゴルフは男子のラウンドが8月1日から4日にかけて行われる。オリンピックランキングで日本勢最上位となる9位で出場権を獲得した松山英樹(LEXUS)は、今年2月のPGAツアーで勝利を挙げて9勝目。6月の全米オープンでは6位に入った。五輪初出場となった前大会では、銅メダルをかけたプレーオフで惜しくも敗れた。パリ五輪では日本人男子初のメダル獲得をめざす。

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