連載:高校野球2024・夏の地方大会「エリア別大展望」

高校野球「実力校ランキング・24年夏」大阪編 夏連覇を狙う履正社、春を制した大阪学院大高を投手層で上回るのは──

松倉雄太
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 7月6日に京セラドーム大阪で開幕する今夏の大阪大会。今年は豊中ローズ球場が改修工事で使えず、花園セントラルスタジアムも使用せず、開幕戦のみを実施する京セラドーム大阪を含めて7会場での開催となる。昨夏は履正社、秋は大阪桐蔭、今春は大阪学院大高と優勝校が入れ替わっており、また新基準の金属バットが及ぼす影響も読みにくい。激戦区・大阪は例年以上の混戦となりそうだが、はたしてどこが抜け出すのか。近畿エリアの高校野球に詳しい松倉雄太氏が、実力上位校トップ10を選出する。

大阪桐蔭は単打でつなぐ打撃を徹底

今春のセンバツは準々決勝で報徳学園に敗れた大阪桐蔭だが、地力は十分にある。エースの平嶋、リードオフマンの境など投打ともにタレントがそろっている 【写真は共同】

 今年の大阪大会では、従来4回戦・5回戦と、準々決勝以降の2回実施されていた再抽選が、4回戦以降の1回のみとなる。大阪府高野連の入道美之専務理事は、「加盟校からの声もあり、先(の日程や対戦相手)が見通しやすくなるようにした」と、大きな改革の意図を語ったが、一方で大阪桐蔭の西谷浩一監督は、こんなメリットを口にしている。

「トーナメントなので先が見通せるということはありませんが、偵察はしやすくなる。どこと当たるか分からないこれまでは、せっかく偵察に行ってもらったのに、(対戦をしなくて)申し訳なかったと(偵察の)選手に謝ることもあったので」

 もちろん、4回戦以降の再抽選で決勝までのトーナメント表が完成するため、見る側にとっても予想しやすくなったと言えるだろう。

 さて、そうした変化が起こった今夏の大阪大会だが、実力校ランキングの1位は2年ぶりの出場をめざす大阪桐蔭とした。昨夏は準優勝、昨秋は大阪を制して近畿大会でも優勝、そして今春はセンバツと大阪大会でいずれもベスト8。こうした実績に加えて、厚みのある投手層が1位に推す根拠だ。
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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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