連載:高校野球2024・夏の地方大会「エリア別大展望」

高校野球「実力校ランキング・24年夏」福岡編 大本命不在の混戦を抜け出すのはタレントの質で上回る福岡大大濠か

加来慶祐
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1989年以来の夏の甲子園出場をめざす福岡大大濠で投打の中心を担うのが、プロ注目の柴田。同じく140キロ台中盤の速球を投げる平川も控え、投手陣の層が分厚い 【YOJI-GEN】

 実力伯仲で絶対的な本命が不在と言われる今夏の福岡大会(6月29日開幕)。夏3連覇に挑む九州国際大付、昨夏準優勝の東筑、打線に力がある西日本短大付、今春のセンバツに出場した東海大福岡など強豪校がひしめくが、その中で九州・沖縄の野球事情に詳しいスポーツライターの加来慶祐氏が、2年連続で実力校ランキングのトップに推したのは──。上位10校の顔ぶれを見ていこう。

山下舜平大を彷彿とさせる福岡大大濠の柴田

「◎」を打つのは、今年も福岡大大濠だ。秋4強、春8強と勝ち切れてはいないが、投打ともにタレントのクオリティが頭1つ抜けている。

 とくに190センチ・85キロの大型右腕・柴田獅子(3年)の成長が心強い。昨秋は最速帯が138~140キロ付近だったが、今季最初の大会で最速146キロを計測。ストレートは常時141~42キロをマークするようになった。OBの山下舜平大(オリックス)を彷彿とさせるスケール感満点の投球は見応えも十分だ。同じく最速146キロの右サイドスロー・平川絢翔(3年)、183センチの“キレ系左腕”中野悠斗(2年)の状態次第では、強力投手陣が出来上がる。

 柴田は4番打者としても打線の中心を担い、他にも一塁到達3.87秒の俊足と強打を兼備する主将の大神浩郎(3年)、高い出塁率と攻撃的かつ安定した守備力を誇る高田大賀(3年)など、能力値の高い選手が揃っている。
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著者プロフィール

1976年大分県竹田市生まれ。東京での出版社勤務で雑誌編集などを経験した後、フリーランスライターとして独立。2006年から故郷の大分県竹田市に在住し、九州・沖縄を主なフィールドに取材・執筆を続けているスポーツライター。高校野球やドラフト関連を中心とするアマチュア野球、プロ野球を主分野としており、甲子園大会やWBC日本代表や各年代の侍ジャパン、国体、インターハイなどの取材経験がある。2016年に自著「先駆ける者〜九州・沖縄の高校野球 次代を担う8人の指導者〜」(日刊スポーツ出版社)を出版した。

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