今回のセンバツに出場する32校を予想 激戦となった関東・東京で選ばれる学校は?
【東海】豊川のドラフト候補・ニキータの強打に注目
神宮大会でも本塁打を放ったニキータは、今秋のドラフト候補として注目の存在だ 【写真は共同】
豊川は神宮大会で強烈な本塁打を放ったモイセエフ・ニキータ(2年)が今秋ドラフト候補として注目を集める。愛工大名電のエース・大泉塁翔(2年)も世代屈指の左腕と言えるだろう。
残り1枠はベスト4の藤枝明誠と宇治山田商で争う。ともに県1位で準々決勝からの登場と状況は同じ。敗れた準決勝だが、藤枝明誠は愛工大名電を相手に終始リードを許す苦しい展開を終盤に追い上げながら、あと1歩届かなかった。宇治山田商は豊川相手に9回2死までリードしながら逆転サヨナラ負けを喫した。両校の準決勝での戦いぶりが、どう判断されるか?
【北信越】震災の影響を受けた日本航空石川の出場はあるか
星稜は主力の一部が体調不良で北信越大会前半を欠場したが、投打で圧倒。エース左腕・佐宗翼(2年)らが復帰した準決勝以降は2試合で失点1と安定した力を見せた。神宮大会でも1戦ごとに逞しくなり、32年ぶりの優勝を果たした。
準優勝の敦賀気比は県3位での出場ながら、延長タイブレークを2試合制し、決勝でも延長タイブレークと3試合連続で激闘を演じた。
神宮大会枠は準決勝で敗れた日本航空石川と北陸の争い。日本航空石川は県2位での出場だが、星稜とは県決勝で9回に2点差を追いつき、延長タイブレークまで持ち込んだ。北信越でも準決勝で敦賀気比と延長10回タイブレークの接戦だった。北陸も県準決勝で北信越準優勝の敦賀気比を延長10回タイブレークで破っている。両校とも同県が決勝に勝ち進み、地域性は関係ない状況。北信越での勝ち上がり方も含めて選考されるが、神宮大会枠で増枠となった観点で1月の能登半島地震での活動状況も考えるのか。選考委員会での結論が注目される。
【近畿】5枠目以降は強豪校の争いに
近畿大会を3連覇した大阪桐蔭。エース右腕の平嶋ら、今年も投手陣の層は暑い 【写真は共同】
近畿大会3連覇を果たした大阪桐蔭は152キロ右腕・平嶋桂知(2年)を中心に投手陣が強力。中でも近畿準々決勝で好救援し、決勝では先発した151キロ右腕・森陽樹(1年)は早くも来秋のドラフト上位候補との声が挙がる。
嘉永5年(1852年)創立の耐久は、エース右腕・冷水(しみず)孝輔(2年)が近畿2試合を完投。敗れはしたが京都外大西との準決勝も1点に抑え、初の甲子園を有力にした。
残る2枠だが、報徳学園と近江は県1位。履正社は大阪2位、須磨翔風は兵庫3位での出場だった。この中で報徳学園は優勝した大阪桐蔭と1点差の接戦を演じた。昨春センバツ準優勝の立役者である間木歩(2年)と今朝丸裕喜(2年)のW右腕が交互に先発。県準決勝では須磨翔風を破っていることもあり、ポイントは高そうと見る。同じく県優勝の近江は、右腕・西山恒誠(2年)が初戦を76球で完封するなど、2試合17イニング連続で0を並べた投手力は評価されるべきだろうと考える。須磨翔風はエース・槙野遥斗(2年)が県から1人で投げ抜き、近畿初戦では奈良1位の智辯学園に投げ勝った。準々決勝でも7回までは1点差と接戦を演じた。履正社は2試合で15得点と8強の中で最も得点を挙げている。
逆に4校のマイナス材料を挙げると、報徳学園は2試合でタイムリー0、近江は1得点と少なく、須磨翔風は2試合で6失策、履正社は失点11と多かったところか。この部分を含め、近畿大会を直接視察した選考委員会でどのように結論をつけるか注目だ。