谷繁元信×ダルビッシュ有の対談が実現! 「ランニング不要論」の真意からWBCまで
谷繁元信氏とダルビッシュ有の対談が実現。写真は2006年日本シリーズ第1戦で、先発ダルビッシュ(当時日本ハム)から先制2点適時打を放つ谷繁氏(当時中日) 【写真:共同通信社】
若きダルビッシュが飛躍した理由やトレーニングに対する考え方、2人が対峙した日本シリーズ、そして記憶に新しい昨春のWBC……。話題はさまざまな方向へ展開していった。
今回は全3回にわたる対談の様子をダイジェストでお送りしたい。
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「ランニング不要論」の真意に迫る
谷繁「なんて呼んだらいいんだろう。ダルビッシュさん?」
ダル「いやいや、やめてください(笑)。“ダル”でもなんでも」
和やかな雰囲気で対談がスタート。挨拶もそこそこに、谷繁氏は早速質問をぶつける。
谷繁「プロに入った時はやんちゃだったじゃないですか。そこから変化したきっかけは?」
ダル「2年目、2006年の前半戦で思うように結果が出なくて。このまま自分が一軍に定着できないまま終わるんじゃないかと思って真剣に考えて、少し意識が変わってきました」
意識が変わったダルビッシュは、周囲のアドバイスも請いながらトレーニングを敢行。私生活でも体のケアや勉強に割く時間を増やしたそうだ。すると、2006年5月ごろの最高球速が144キロだったところ、同年秋の日本シリーズでは153キロとジャンプアップ。「このまま続けた方がいいんじゃないか」と手応えをつかんだ。
米国でのトレーニングについても聞きつつ、ここで谷繁氏が「ちょっと聞きたいんだけど」と話題を切り出す。
谷繁「あまりランニングが必要ないんじゃないか、とメディアを通じて言っていたけど、その真意は?」
ダル「調子が悪いからポール間を1〜2時間走っておけ! みたいな昔の高校野球でありがちな長時間走るトレーニングは、コンディショニングや野球の特性を見た時に、マイナスになる部分が大きい。そういうのは排除すべき」
ダルビッシュは続けて、「(古巣の)ファイターズがやっているようなメニュー、例えばポール間走10本とか、ポールからセンターに10本走るとか、段階立てて距離を変えていく。目的があるランニング、コンディショニングはもちろん大事だと思います」と語る。
谷繁氏はこれを受けて「ダルが言ったからそこまで走らなくてもいいと、そういう風潮になる、履き違える可能性もある。でも、俺はランニングは大事だと思っているから、自分のイメージ通りに走れなくなったら終わり」と力説。ダルビッシュも愛息の高校のメニューが距離の短い塁間走しかない件を引き合いに出しつつ、「走ることは脳にも良い」「たまには長距離・中距離走るのも必要」と同調した。
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