パ・リーグ6球団の最新戦力査定 来季に向けて補強が必要なポジションは?
オリックスは西川龍馬(右)を獲得。そのオリックスから同じくFA宣言した山﨑福也(左)は日本ハムが射止めた。パの各球団は来季に向けて精力的に動いている 【写真は共同】
オリックスの最新戦力評価:A-
来季の飛躍が期待できる1人が昨年のドラ1曽谷。今季の最終登板となったソフトバンク戦では、6回1安打無失点でプロ初勝利を挙げた 【写真は共同】
パ・リーグ3連覇を達成したが、山本由伸のメジャー挑戦が決定的で、山﨑福也がFAで抜けた(日本ハムへ)穴も大きい。山下舜平大、東晃平、曽谷龍平の成長や山岡泰輔の先発復帰などである程度はカバーできるだろう。それでも、山本と山﨑福也が昨季投げた約300イニングを埋めるのは簡単ではない。
それを見込んでかドラフトでは下位で社会人投手を3人指名しており、特に高島泰都(王子)、古田島成龍(日本通運)にかかる期待は大きい。またトレードで日本ハムから獲得した吉田輝星をどう起用していくかにも注目だ。
一方の野手はFAの西川龍馬(前広島)を獲得したのは大きなプラスだ。課題だった右打者は中川圭太、頓宮裕真が成長し、左右のバランスも良くなった。ポジション的にも大きな穴は見当たらない。
そうなると今後の補強はやはり投手が望まれる。すでに新外国人選手としてメジャーでも実績のあるリリーバーのマチャドを手に入れたが、山本と山﨑福也の穴を考えても先発タイプの力のある投手の確保を目指したい。
ロッテの最新戦力評価:B-
ドラフト1位の上田は、明大で下級生時から4番を張った左のスラッガー。1年目からレギュラー争いに食い込めるか 【写真は共同】
ここまで大きなマイナスはないが、投手では長年先発で活躍してきた石川歩が故障で育成契約となり、美馬学、澤村拓一など他のベテランも成績を下げていることを考えると、先発もリリーフも不安が残る。また野手も中村奨吾が大きく成績を落とし、期待の大きかった安田尚憲、藤原恭大、山口航輝も停滞している印象だ。
しかし、現時点で目立った補強はドラフトだけ。全体的に将来性を重視した指名で、来季の戦力として期待できるのは1位の上田希由翔(明治大)と2位の大谷輝龍(富山GRNサンダーバーズ)の2人だ。上田は安田のライバルとなり得る選手。かたや大谷はブルペンを支える存在になることが望まれる。
来季に向けて一番テコ入れが必要なのは、迫力不足が否めない打線だろう。ホームランを打てる外国人野手がポランコ以外にもう1人必要だ。
ソフトバンクの最新戦力評価:B
高橋礼、泉の2投手との交換で巨人から獲得したウォーカー。右の長距離砲は外野守備に不安があるだけに、DHでの起用が有力視される 【写真は共同】
他球団に比べて選手層は厚く、メジャー復帰も噂されたオスナの残留も大きいが、不安要素は決して少なくない。
まず投手は、今季規定投球回に到達した選手はゼロ。モイネロの先発転向で強化を図ると言われているが、その分リリーフが手薄になる危険性もはらんでいる。ドラフトで指名した選手の中では、2位の岩井俊介(名城大)と5位の澤柳亮太郎(ロキテクノ富山)が比較的早くから戦力になりそうだが、1年目から過度の期待はかけられない。山﨑福也(オリックス→日本ハム)の獲得に失敗したのも大きな誤算だったのではないだろうか。調査をしていると言われているバウアー(DeNA)だけでなく、先発で長いイニングを投げられる投手の確保を引き続き目指したいところだ。
野手ではトレードで巨人からウォーカーを獲得したが、右の強打者タイプはまだ不足している。西武からFA宣言した山川穂高についてはまだ様子を見ている状況で、他の選択肢も探る必要があるだろう。