大阪体育大学で進む「スポーツ廃棄物」再利用 マネジメント専攻学生が折れたバットで箸制作 バレー・テニスボールは小中校へ スポーツSDGsサイト運用
廃棄バット再利用プロジェクトは、藤本ゼミの福永晴翔さん(市立函館)、正井信之介さん(須磨友が丘)、大仲菜奈さん(久米田)=いずれも体育学部3年=が実施した。代表の福永さんによると、昨年夏ごろ、ゼミでスポーツとビジネスに関する発表内容を相談する中でスポーツSDGsで何かできないかとの話が出た。硬式野球部男子の正井さんらから「折れたバットの廃棄が大変」と話を聞いた福永さんが、廃棄バットの再利用を大学の「夢プロジェクト」として申請した。
「夢プロジェクト」は、応募があった、学生が企画・実行するプロジェクトのうち年間数件を採択して助成金を交付し、積極的な社会参画や知的好奇心、豊かな創造力の醸成をはかる制度だ。
福永さん、正井さん、軟式野球部女子の大仲さんがプロジェクト実施に向けて動き出した。
高校時代の金属バットとは違う木製バットの打ち方、扱い方に慣れずにバットを折る部員も多いという。3人が野球部にプロジェクトの趣旨を伝えると、松平一彦監督は「素晴らしい活動。ぜひ実現してほしい」と全面協力を申し出た。
3人は廃棄バットを木材として再利用する会社を探した。神戸で行われた環境イベント会場に行って業者を探したり、各社のHPをチェックしたりし、8社をリストアップ。「回収費用は負担してもらえるか」「次年度以降も継続できるか」などの選定基準を電話やメールで確かめ、福井県小浜市の箸メーカー、株式会社兵左衛門との連携を決めた。
「かっとばし!!」への加工費用は、採択された夢プロジェクトの助成金を充てる。箸には大学のロゴマークなどを入れ、4月上旬に60膳が完成し、硬式野球部が野球部のPRツールや大学広報ツールとして使う予定だ。
福永さんは「数多くの人にスポーツの価値や魅力を伝えたい」とスポーツマネジメントを学ぶために、大体大に入学した。次年度からは夢プロジェクトの助成金は下りないが、「廃棄バットの再利用を学内で広く知ってもらい、事業を継続する方策を考えたい」と話す。
このほか、大体大ではテニス部女子とバレーボール部女子が2月、古くなり廃棄する予定だったテニスボール1050個、バレーボール24個を地元の熊取町の小中学校に寄贈した。テニスボールは小中学校の教室で机や椅子の脚用クッションとして再利用され、バレーボールは休み時間の遊びなどで使われている。
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