セ・リーグ6球団の最新戦力査定 来季に向けて補強が必要なポジションは?
巨人の最新戦力評価:B
ドラフト2位の森田は大卒5年目の左腕。来季の開幕を27歳で迎えることになり、年齢を考えると1年目から勝負だ 【写真は共同】
2年連続となるBクラスに沈んだが、戦力的には明るい材料が少なくない印象で、広島、DeNAよりも上の評価とした。中田翔が自由契約となったものの、門脇誠の台頭で坂本勇人をサード、岡本和真をファーストというコンバートがスムーズに進むことになる。秋広優人が一気にレギュラーに定着したのも大きなプラスで、同じ外野手では浅野翔吾、萩尾匡也のルーキー2人もポジティブなプロ1年目を送った。
投手陣も山﨑伊織が一本立ちし、戸郷翔征に次ぐ先発となったことが大きい。ドラフトで指名した西舘勇陽(中央大)、森田駿哉(Honda鈴鹿)、又木鉄平(日本生命)の投手3人も1年目からの戦力として期待できる実力者たちだ。将来を考えると不安は残るが、来季のことだけを見ればプラスが大きいドラフトだったと言える。
補強ポイントは左のリリーフだ。中川皓太、高梨雄平に続く左の中継ぎがかなり手薄なだけに、現役ドラフトやトレードなどでの獲得を目指したい。
ヤクルトの最新戦力評価:C
ドラ1の西舘は大学生活を通じて東都2部しか経験しておらず、プロ1年目からどれだけやれるか未知数だ。先発投手は頭数自体が足りないだけに、補強が必須だろう 【写真は共同】
セ・リーグ連覇から一転して5位に沈んだヤクルト。最大のウイークポイントはやはり投手陣だ。過去3年間で規定投球回数に到達したのは昨季と今季の小川泰弘だけで、その小川も来年で34歳ということを考えると過度の期待はかけづらい。
野手では村上宗隆が調子を落としながらも存在感を示したが、気になるのがもう1人の得点源である山田哲人だ。過去2年は中軸としてはかなり物足りない数字に終わっており、盗塁数の減少も顕著。来年で32歳という年齢を考えるとまだ余力はありそうだが、後継者候補の台頭が待たれるところだ。
喫緊の補強ポイントはやはり投手になる。ドラフトでは1位から3位まで大学・社会人の投手を指名。1位の西舘昂汰(専修大)と2位の松本健吾(トヨタ自動車)は先発タイプだが、西舘は完成度、松本はコンディション面の不安からいきなり主戦級の働きを求めるのは酷だろう。ピーターズが退団したこともあり、新たな外国人投手などイニング数を稼げる投手の補強が不可欠だ。
中日の最新戦力評価:C
ソフトバンクを退団した上林を獲得。2018年に22本塁打を記録した実績があるが、近年の成績を考えると主力としては計算しづらい。外野を守れる強打の新外国人選手が必要か 【写真は共同】
リーグ2位のチーム防御率ながら、慢性的な得点力不足で2年連続の最下位に沈んだ。しかもドラフトでは投手とチャンスメーカータイプのショート2人の獲得にとどまり、現有戦力の底上げ以外では今後の補強が重要になってくる。
巨人を退団した中田翔の獲得が噂されているが、これが実現してもビシエドとポジションが重なるため単純なプラスとは捉えにくい。そうなると必要なのが外野を守れて長打力のある選手だ。上林誠知(前ソフトバンク)を獲得したが、ここ数年の成績を見ると復活は微妙。今年はアキーノが完全な失敗だったものの、それでもこのオフも長打力のある外野手の外国人選手を狙いたい。
投手もチーム防御率は悪くないものの、ベテランと外国人選手への依存度の高さが気になるところだ。加えて二遊間の若手選手は同じタイプが何人もおり、またかつてのレギュラーである高橋周平も出場機会を失っているだけに、チームを大きく変えるような大型トレードを積極的に仕掛けることも必要だろう。
(企画・編集/YOJI-GEN)