PGAツアーとLIVゴルフの強豪選手が日本ツアー「ダンロップフェニックス」で対決!

北村収

左から今年の全米オープンを制したウィンダム・クラーク、2021年のマスターズ覇者・松山英樹、今年の全米プロゴルフ選手権を制したブルックス・ケプカ。初日と2日目は同じ組でラウンドする 【Photo by Getty Images】

 2022年のLIVゴルフの登場により世界のゴルフファンが残念に思ったことの一つは、PGAツアーがLIVゴルフに移籍した選手の出場を認めなくなったことだ。真の強豪選手が一堂に会する試合が4大メジャー以外ではなくなった。ではなぜ4大メジャーでは可能だったのか? メジャートーナメントの仕切りはPGAツアーではないからだ。

 マスターズはオーガスタナショナルGC、全米プロゴルフ選手権は全米プロゴルフ協会、全米オープンは全米ゴルフ協会(USGA)、全英オープンはR&Aがそれぞれの主催者である。各団体は主催するメジャーの試合で、LIVゴルフ選手の出場を認めたので、例えばマスターズではジョン・ラームとブルックス・ケプカの優勝争いが実現するなど、世界最高峰の選手たちによる戦いを見ることができた。

LIVゴルフの今年のメジャーチャンプ、ブルックス・ケプカとPGAツアーのメジャーチャンプ、ウィンダム・クラークが日本で激突

 11月4日、12月に開催される来シーズンの出場権をかけたLIVゴルフの予選会にPGAツアーメンバーが出場してもペナルティはないというニュースが流れた。PGAツアーとLIVゴルフの選手が一緒に試合に出場するのは、4大メジャーだけだったが、徐々に選手の行き来が可能になっていくことが予想できる。

 今年の6月7日に発表されたPGAツアーとLIVゴルフの「電撃統合」。具体的な動きが徐々に進んでいるようだが、この日本でLIVゴルフとPGAツアーの強豪選手が対決することになった。11月16日に開幕するダンロップフェニックストーナメントに、今年の全米プロゴルフ選手権覇者であるブルックス・ケプカと、全米オープン覇者であるウィンダム・クラークが出場するのだ。

 ライダーカップにはLIVゴルフのブルックス・ケプカが出場したが、メジャー以外でPGAツアーとLIVゴルフのトップ選手が戦うのはほぼ例を見ない。

懐かしの4大メジャーチャンプが集まるPGAグランドスラムを思い出させる招待選手

 長年のゴルフファンの中にはご存知の方が多いかもしれないが、「PGAグランドスラム」という大会があった。その年の4大メジャー(マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロ)の優勝者4人が対戦するものだ。

 日本でもテレビ中継され、1998年からダイガー・ウッズが5連覇を果たすなど盛り上がりを見せた。

 2015年はトランプ・ナショナルGCロサンゼルスで開催予定だった。ところがゴルフ場のオーナーで大統領選の候補だったドナルド・トランプ氏の暴言で、主催する全米プロゴルフ協会は開催地を白紙化した。そして2016年に大会の中止が決定し、今に至るまで実施されていない。

 PGAグランドスラムの過去の出場者をチェックしてみると、メジャーチャンピオンが4人揃った年は少ない。そもそもメジャーで年間2勝以上した選手がいた場合は4人にならないので、特別参加者としてその年のメジャーチャンプ以外の選手が参加していた。タイガー・ウッズがメジャー3勝した2002年は、メジャーチャンピオンはタイガーと全米プロゴルフ選手権を制したリッチ・ビームのみだった。

2014年のPGAグランドスラム。この年のマスターズを制したバッバ・ワトソン、全米オープンを制したマーティン・カイマー、全英オープンと全米プロゴルフ選手権を制したローリー・マキロイ、さらにはこの年のメジャーは制していないがジム・フューリックが特別参加した。 【Photo by Scott Halleran/Getty Images】

 今回のダンロップフェニックスの出場者はPGAグランドスラムを彷彿させる。今年の全米オープンチャンピオンと全米プロゴルフ選手権チャンピオンに加えて、2021年のマスターズ覇者である松山英樹が出場。今年PGAツアーで初勝利したサティス・ティーガラも加わり、この4人の招待選手はPGAグランドスラムを思い出させるほど豪華だ。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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