“推し活”ギャラリーが増加中!? 超有名選手がいなくても活況の女子ゴルフ2部ツアー

北村収

ステップ・アップ・ツアー「静ヒルズレディース森ビルカップ」に出場中の選手たち 【Photo by JLPGA via Getty Images】

 ステップ・アップ・ツアーをご存じだろうか? JLPGA(一般社団法人日本女子プロゴルフ協会)の公式ホームページでは「JLPGAツアーに出場資格を持たない選手および新人を対象に、試合経験を積ませることによる育成・レベルアップを目的とし、1991年から始まったトーナメント」と説明している。この2部ツアーとも言われるステップ・アップ・ツアーが活況を呈している。

昨年の賞金女王櫻井心那が、今季レギュラーツアーですでに4勝!

10月中旬に開催された富士通レディースでJLPGAツアー今季4勝目をあげた櫻井心那 【Photo by Atsushi Tomura/Getty Images】

 育成・レベルアップという点でまさに成果が出たのが、昨年のステップ・アップ・ツアーの賞金女王である櫻井心那の今年のレギュラーツアーでの大活躍だ。長崎日大高3年時の2021年6月にプロテストを一発合格。昨年はステップ・アップ・ツアーで5勝を果たし、今年のJLPGAツアーのシーズン初期の出場権を得た。

 JLPGAツアーとステップ・アップ・ツアーではやはりレベルが大きく違うのか、今年のJLPGAツアー初戦と第2戦は予選落ち。ただ、3戦目で予選通過を果たすと、その後は上位に入る試合も増えてきた。

 7月の資生堂レディスオープンの最終日に優勝を争いに絡むと、プレーオフを制して見事にJLPGAツアー初勝利。「今季初めての優勝争いだったが、ステップ・アップ・ツアーでの5勝の経験が生きました」と、JLPGAツアーでも初の優勝チャンスを見事にものにした。その後も勝ち星を重ねて、今季すでにJLPGAツアー4勝。現在はメルセデス・ランキングで5位につけている。

今年は4試合増の21試合! ギャラリーからの支持も厚い

「山陽新聞レディースカップ」の最終日には、4,756人のギャラリーが詰めかけた。 【Photo by Masterpress/JLPGA via Getty Images】

 成長しているのは選手だけではない。ステップ・アップ・ツアーは今年4試合増大し、21試合となった。

 ギャラリーからの支持も厚い。岡山県の東児が丘マリンヒルズゴルフクラブで開催された「山陽新聞レディースカップ」では、3日間で11,530人のギャラリーが来場。最終日は4,756人とJLPGAツアー並みだった。なお、「山陽新聞レディースカップ」はJLPGAツアーと同じく金曜、土曜、日曜日の開催だったが、ステップ・アップ・ツアーの多くは平日のみの開催。それでも1日当たり1,000人以上のギャラリーが詰めかけるトーナメントが少なくない。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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