テーブス海が語るW杯落選と新天地・A東京 「4度目の正直」で目指すパリ五輪

大島和人

チームメイトとライバルと

チームにはすんなり溶け込めている様子だった 【©ALVARK TOKYO】

――今季のアルバルクはどんなチームになりそうですか?

 本当に能力が高い、個の力で試合を支配できるような選手の集まりです。だけど、チャンピオンシップの優勝を狙うチームになるのであれば、お互いのために1人ひとりが自分を犠牲にする、次の人のためにプレーすることが大事になります。それができるようになれば、間違いなく優勝できるチームになると思います。

ーー橋本竜馬選手、岡本飛竜選手、福澤晃平選手とタイプの違うガードが揃いました。特に橋本選手は大ベテランですけど学ぶこと、刺激を受けることはありますか?

 竜馬さんのプレーを見ていると、本当に経験でしか得られない知識を持っているなと感じます。ファウルのもらい方とか、チームを声でまとめるところとか、それはどんどん吸収したいです。彼が一緒にPGとしてやってくれるのは本当に頼もしいことだし、チームとしてもすごく頼りになる存在だと思います。

――あと小酒部選手と吉井選手は同い年です。そういう仲間の選手の存在は、テーブス選手にとってどうですか?

 素直に嬉しいですし、3人で一緒にコートに出ることもあるので、そのときは、若さで勝てたらなと思います。

――千葉ジェッツには富樫勇樹選手がいて、横浜ビー・コルセアーズには河村勇輝選手がいます。代表でポジション争いをする選手がいるチームに負けたくない……という気持ちはありますか?

 あります(即答)

――そんな選手に対してこうプレーしたい、こう抑えたいというイメージはお持ちですか?

 2人とも本当に素晴らしい選手なので、僕ひとりで抑えることは、まず無理です。ただマッチアップをしたら自分のサイズを使ってポストアップして、嫌がらせしたいなと思います。

――テーブス選手にとってのパリ五輪はどういう大会で、どれくらい望んでいるものなのか、改めて聞かせてもらえますか?

 個人的には2019年のW杯も目標にしていましたが結局出られなくて、オリンピックも目標にしていて出られなくて、今回のワールドカップも……。ずっと悔しい思いをしてきたので、「4度目の正直」と言ったらあれですけど、もう次こそは本当に代表に入って、あのステージでバスケットをしたいです。

代々木第一のコートは人生初⁉

代々木第一の大観衆も彼を後押しするはずだ 【©ALVARK TOKYO】

――今まで代々木第一体育館でプレーしたことはありますか?

 ないんです。実は第一も第二もまだなくて。高校でもプレーしていないですし、観客としても入ったことがないですね。

――宇都宮のときはアルバルクと何度かやったはずですけど、当時はまだ立川や駒沢でしたね。代々木第一でプレーすることへの期待感はいかがですか?

 映像では雰囲気を見ているので、本当に楽しみです。特に(10月14日・15日の)ホーム開幕戦は古巣・宇都宮との対戦なので……マジに楽しみですね。

――宇都宮は東地区のライバルの一つですし、バックコート陣は比江島慎選手を筆頭にハイレベルの選手が揃っています。

 鵤(誠司)選手は、宇都宮にいたときから彼の背中を追って、吸収しながらプレーしていた、ずっと尊敬している選手です。一度滋賀に行ってアルバルクに来て、成長した姿を彼にも見せたいですし、負けたくない気持ちもあります。

――宇都宮戦の後、10月25日(水)にはやはり代々木第一で秋田ノーザンハピネッツ戦が組まれています。これも楽しみなカードです。

 秋田は本当に特徴的なチームですね。ディフェンスの激しさが他のチームとは違います。フィジカルなディフェンスをするので、強度が上がった試合になるはずです。他のチームはどちらかというとスペースを消して、構えた守備をしますけど、秋田は自分たちからきっかけを作ってくる。こちらもセットプレーを遂行するというより、1人1人がどれくらい積極的にアタックできるかが大切になってきます。

――秋田は高い位置からプレッシャーをかけてきて、ガードにもガンガン来ますよね。

 僕はどちらかというと、あれくらいプレッシャーかけられる方がやりやすいんです。勢いを持って踏み込んでくるので、逆を取れればむしろ抜きやすいですから。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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