カーリング新シーズンが開幕 オフに目立ったクラウドファンディングの着地点とは?

竹田聡一郎

人気チームの選手の所属先がまだ未定

フィロシーク青森のフォース田中美咲 【(C)JCA IDE】

 決してクラウドファンディングでの挑戦を否定的に捉えているわけではない。むしろどのチームも個性あるアイデアを出してファンと共存していく姿勢が見え、その成功がカーリングの新たな財産となる可能性を存分に秘めている。

 だからこそ考えるべきは、注目を集めている女子の上位チームや、オリンピアンを擁する国内屈指の名門が活動費を求めないといけないという点だ。現状を選手というよりJCA(日本カーリング協会)やチーム関係者は重く受け止める必要がある。

 フォルティウスに関しては、小谷優奈と小林未奈の所属先(勤務先)が決まっていない。両選手ともJOC(日本オリンピック委員会)の就職支援事業「アスナビ」に参加し所属先を求めているが、7月現在でいまだ動きはない。強化費と同様に競技に集中できる生活環境も重要だ。

 現代スポーツにおけるクラウドファンディングはある種の箱舟になるかもしれないが、打ち出の小槌ではないことは今一度、認識するべきだろう。客観的かつフェアで、現代に即した広い意見とアイデアが求められる。カーリングファン、スポーツファン諸兄はどうお考えだろうか。

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著者プロフィール

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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