野球界で輝きを放つ東北出身者と東北の強豪校

東北出身プロ野球選手「歴代ベストナイン」 大谷、落合、佐々木主浩など絢爛豪華な顔ぶれに

平尾類
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MLBで異次元の活躍を続ける大谷(左)、ロッテ時代に三冠王に3度輝いた落合(右)など、東北出身の新旧スターで構成したベストナインは豪華な顔ぶれに 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ / 写真は共同】

 日本の至宝である大谷翔平、佐々木朗希といった現役選手だけでなく、東北の地はこれまでに多くの名プレーヤーを生んできた。そうした東北6県の出身者だけで最高のチームを作ろうしたら、どんな顔ぶれになるのか。新聞社在籍時に山形県での勤務経験もあるライターに、東北出身者限定のオールタイム・ベストナインを選んでもらった。

先発投手は史上最高のサブマリン

投手は先発、中継ぎ、抑えの3部門に分けたが、抑えは文句なしで佐々木主浩だろう。伝統校の東北高から東北福祉大に進学と、大学まで故郷の宮城県で研鑽を積んだ 【写真は共同】

 東北出身のプロ野球OB、現役選手を対象に、時空を超えて選んだ「最強のベストナイン」。東北で生まれ、少なくとも高校まで東北で過ごしたプロ経験者を条件とした。そのため、例えば江川卓(元巨人)は福島県いわき市生まれだが、幼い頃に東北の地を離れ、高校は栃木の作新学院に進学したのでノミネートから外した。

 だが、江川抜きでも投手陣は豪華絢爛。現役選手に限っても、岩手出身の菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希(ロッテ)などがおり、全国の他地域と比べても質、量ともにトップレベルではないだろうか。野手は落合博満(元ロッテなど)、長谷川勇也(元ソフトバンク)、小坂誠(元ロッテなど)ら職人気質の名選手たちが揃った。

 投手は先発、中継ぎ、抑えの3部門から選出したが、東北は球史に名を刻む投手を次々と輩出している。先発はNPB通算284勝を挙げた山田久志(元阪急)。秋田が生んだ「史上最高のサブマリン」は阪急の黄金時代のエースとして活躍した。全ての球種が一級品で、スタミナ抜群の上にフィールディング能力も高い。「勝てる投手」の条件をすべて備えた大投手だった。

 日本プロ野球最後の30勝投手で、通算221勝をマークした山形出身の皆川睦夫(元南海)も山田と同じアンダースローで南海の黄金期を支え、甲乙つけがたい。大洋のエースとして活躍した福島出身の遠藤一彦、秋田出身で通算200勝を目指す現役最年長43歳左腕の小さな巨人・石川雅規(ヤクルト)、宮城県立名取北高出身の本格派右腕・岸孝之(楽天)、メジャーで今年結果を残している菊池も日本球界を代表する好投手たちだ。

 セットアッパーに選んだのは令和の怪物・佐々木朗希。本来は先発で、プロ入り後に救援で登板機会はない。適性の観点で選ぶなら米国でセットアッパー、抑えとして活躍した宮城出身の斎藤隆(元横浜、ドジャースなど)、正確無比の制球で先発、中継ぎでフル回転した同じく宮城出身(小学生の時に秋田へ)の摂津正(元ソフトバンク)が有力候補になるが、佐々木朗希を選んだ理由は投手としてのズバ抜けた能力だ。短いイニングで常時160キロを超える直球にフォーク、スライダーを織り交ぜたら相手チームは攻略が困難だろう。

 抑えは宮城出身の佐々木主浩(横浜、マリナーズ)。魔球と呼ばれた落差の大きいフォークを武器に横浜(現DeNA)の絶対的守護神として活躍した。「大魔神」の異名で相手を震え上がらせ、横浜で1998年のリーグ優勝、日本一に貢献。マリナーズに移籍後も日本人選手として最多のメジャー通算129セーブをマークするなど、日米通算381セーブで一時代を築いた。
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著者プロフィール

1980年4月10日、神奈川県横浜市生まれ。スポーツ新聞に勤務していた当時はDeNA、巨人、ヤクルト、西武の担当記者を歴任。現在はライター、アスリートのマネジメント業などの活動をしている。

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