夏の愛知大会の組み合わせが決定! 気になる王者・東邦の相手は…かなりの強敵揃い!?
愛知大会の優勝候補筆頭として夏を迎える東邦。組み合わせ抽選の結果、相手候補に骨っぽいチームが並ぶ 【尾関雄一朗】
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初戦の相手は「ライアン」小川の出身校か
センバツ出場校の東邦は「Eブロック」に入った。シード校のため3回戦から登場し、3試合勝てばベスト8入りだ。しかしこの「Eブロック」、実力校がひしめき、今大会で最も激戦区とみられている。果たして東邦は勝ち進めるのだろうか。“東邦目線”で初戦(3回戦)から順に展望してみたい。
東邦の初戦は7月16日、成章と海陽学園の勝者が相手だ。成章は愛知県東部・田原市にある公立校。藩校を母体として創立され、120年以上の歴史をもつ。野球部は過去2度の甲子園出場がある。直近は「21世紀枠」で選ばれた2008年春のセンバツで、このときのエースが小川泰弘(ヤクルト)だ。近年も安定して春秋の県大会に駒を進めており、戦績に照らすと成章が東邦の相手となりそうだ。
今年の成章は飛びぬけた印象はないが、複数の投手を擁しての守備、小技を絡めつつ主軸打者で走者を返す攻撃は一定水準の模様。中心投手の三原啓暉(3年)は昨夏も2試合に登板した経験があり、愛知啓成戦では4回3分の1を1失点に抑えている。大谷真温(2年)は長身の速球派投手。打線は白井克樹(3年)、高木羚真(同)らが勝負強い。
愛知県の高校野球に詳しい細川浩平氏(※)に、成章の印象を聞いてみた。昨秋観戦した公式戦をもとに「三原投手は驚くような球速はないが、球自体は良い。うまくハマれば、その緩い球に東邦打線が手こずる可能性もある」と話す。(※細川氏=東海地区随一のアマチュア野球観戦者で、観戦記ウェブサイト『コウスポ』運営)。
2戦目で早くも「セカンド私学」栄徳か星城か
栄徳の中心は投打に素質ある足立遼斗(3年)。今春県大会の東邦戦では2回を投げ2失点 【尾関雄一朗】
4回戦の相手候補として、具体的にトーナメント表から浮上するのが栄徳か星城だ。<星城、鶴城丘、栄徳、安城学園、滝、東海>の中で勝ち上がったチームとの顔合せになるが、その2校が有力。ともに「セカンド私学」の代表格だ。
栄徳は2014年と17年の夏、県で準優勝まで迫っている。なお14年の決勝の相手は東邦・藤嶋健人(現・中日)だった。
今年、栄徳は春季県大会で東邦と対戦し、3対10(8回コールド)で敗れている。東邦先発の山北一颯(3年)に5回2安打無得点に抑えられた打線が、夏はどこまで食らいつけるか。また、この試合で失点を許した2年生中心の投手陣が総力を結集したい。
チームの軸は足立遼斗(3年)で、遊撃手と投手を担う。投打に身のこなしがよく、球にキレがある。捕手の中村貫太(同)は送球やバットスイングが良い。6月1日の練習試合では大阪桐蔭に勝って話題になるなど、明るい材料が出ている。
一方、星城は2019年夏の戦いぶりが記憶に新しい。石川昂弥(現・中日)を擁し、その年のセンバツを制した東邦と2回戦で当たり、8回コールド勝ちした。
今年のチームも攻撃力が高い。打順を問わず打者に力がある。相手ピッチャーの甘い球や球威ダウンを見逃さず、しっかりバットの芯でたたいて球をとらえている。昨秋の公式戦「尾東大会」を見たが、上級生のみならず、小林栄翔(2年)、小松伯(同)ら下級生の打球も目立った。
ポイントは投手陣のデキか。昨秋県大会では中京大中京戦で14失点。今春県大会では豊川に6対7でサヨナラ負けしシード権を逃した。投手陣が東邦打線相手でも持ちこたえられれば、4年前の再現も見込める。
このほか、安城学園は今のチームで秋春とも地区予選止まりだが、例年同様に力はあり、チーム内競争が激しい。主砲の丹羽鴻介(3年)はパンチ力があり打球が速い。投手の畔柳天磨(同)は地肩が強く、昨夏は捕手として経験している。
滝は県下屈指の私立進学校。かつて商業科があった時代は野球部も強く、OBに吉田修司(元ソフトバンク他)らがいる。今年のチームは秋春ともに地区予選を突破しており、台風の目になりうる。長江晃尚(3年)はエースで4番打者。打線は中軸を中心につながる。