夏の愛知大会の組み合わせが決定! 気になる王者・東邦の相手は…かなりの強敵揃い!?

尾関雄一朗

愛知大会の優勝候補筆頭として夏を迎える東邦。組み合わせ抽選の結果、相手候補に骨っぽいチームが並ぶ 【尾関雄一朗】

 高校野球愛知大会の組み合わせが決まった。センバツで2勝を挙げた東邦は、今春県大会で頂点に立ち、シード校として夏を迎える。しかしトーナメント表を見ると、対戦相手になりそうなチームはいずれも強敵ばかりで、タフな展開になりそうだ。果たして東邦は勝ち進めるのか。筆者なりに“東邦目線”に立って組み合わせを読み解き、対戦相手候補を分析する。

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初戦の相手は「ライアン」小川の出身校か

 夏の高校野球愛知大会の組み合わせ抽選会が6月17日にあり、日程と対戦カードが決まった。開幕は7月1日で、順調に進めば7月29日に決勝戦が予定されている。今回の組み合わせ抽選により、参加173チームがA~Hの8ブロックに分けられた。それぞれのブロックで5回戦まで戦い、準々決勝の時点で再抽選がある。

 センバツ出場校の東邦は「Eブロック」に入った。シード校のため3回戦から登場し、3試合勝てばベスト8入りだ。しかしこの「Eブロック」、実力校がひしめき、今大会で最も激戦区とみられている。果たして東邦は勝ち進めるのだろうか。“東邦目線”で初戦(3回戦)から順に展望してみたい。

 東邦の初戦は7月16日、成章と海陽学園の勝者が相手だ。成章は愛知県東部・田原市にある公立校。藩校を母体として創立され、120年以上の歴史をもつ。野球部は過去2度の甲子園出場がある。直近は「21世紀枠」で選ばれた2008年春のセンバツで、このときのエースが小川泰弘(ヤクルト)だ。近年も安定して春秋の県大会に駒を進めており、戦績に照らすと成章が東邦の相手となりそうだ。

 今年の成章は飛びぬけた印象はないが、複数の投手を擁しての守備、小技を絡めつつ主軸打者で走者を返す攻撃は一定水準の模様。中心投手の三原啓暉(3年)は昨夏も2試合に登板した経験があり、愛知啓成戦では4回3分の1を1失点に抑えている。大谷真温(2年)は長身の速球派投手。打線は白井克樹(3年)、高木羚真(同)らが勝負強い。

 愛知県の高校野球に詳しい細川浩平氏(※)に、成章の印象を聞いてみた。昨秋観戦した公式戦をもとに「三原投手は驚くような球速はないが、球自体は良い。うまくハマれば、その緩い球に東邦打線が手こずる可能性もある」と話す。(※細川氏=東海地区随一のアマチュア野球観戦者で、観戦記ウェブサイト『コウスポ』運営)。

2戦目で早くも「セカンド私学」栄徳か星城か

栄徳の中心は投打に素質ある足立遼斗(3年)。今春県大会の東邦戦では2回を投げ2失点 【尾関雄一朗】

 次の4回戦で早くも「セカンド私学」との激突が予想される。「セカンド私学」とは、東邦や中京大中京など愛知県の「私学4強」に次ぐ、県で上位常連の私立校勢の呼称だ。度々「私学4強」を倒して甲子園に出場したり、あと一歩まで迫ったりしている。プロ球界にOBも多い。

 4回戦の相手候補として、具体的にトーナメント表から浮上するのが栄徳か星城だ。<星城、鶴城丘、栄徳、安城学園、滝、東海>の中で勝ち上がったチームとの顔合せになるが、その2校が有力。ともに「セカンド私学」の代表格だ。

 栄徳は2014年と17年の夏、県で準優勝まで迫っている。なお14年の決勝の相手は東邦・藤嶋健人(現・中日)だった。

 今年、栄徳は春季県大会で東邦と対戦し、3対10(8回コールド)で敗れている。東邦先発の山北一颯(3年)に5回2安打無得点に抑えられた打線が、夏はどこまで食らいつけるか。また、この試合で失点を許した2年生中心の投手陣が総力を結集したい。

 チームの軸は足立遼斗(3年)で、遊撃手と投手を担う。投打に身のこなしがよく、球にキレがある。捕手の中村貫太(同)は送球やバットスイングが良い。6月1日の練習試合では大阪桐蔭に勝って話題になるなど、明るい材料が出ている。

 一方、星城は2019年夏の戦いぶりが記憶に新しい。石川昂弥(現・中日)を擁し、その年のセンバツを制した東邦と2回戦で当たり、8回コールド勝ちした。

 今年のチームも攻撃力が高い。打順を問わず打者に力がある。相手ピッチャーの甘い球や球威ダウンを見逃さず、しっかりバットの芯でたたいて球をとらえている。昨秋の公式戦「尾東大会」を見たが、上級生のみならず、小林栄翔(2年)、小松伯(同)ら下級生の打球も目立った。

 ポイントは投手陣のデキか。昨秋県大会では中京大中京戦で14失点。今春県大会では豊川に6対7でサヨナラ負けしシード権を逃した。投手陣が東邦打線相手でも持ちこたえられれば、4年前の再現も見込める。

 このほか、安城学園は今のチームで秋春とも地区予選止まりだが、例年同様に力はあり、チーム内競争が激しい。主砲の丹羽鴻介(3年)はパンチ力があり打球が速い。投手の畔柳天磨(同)は地肩が強く、昨夏は捕手として経験している。

 滝は県下屈指の私立進学校。かつて商業科があった時代は野球部も強く、OBに吉田修司(元ソフトバンク他)らがいる。今年のチームは秋春ともに地区予選を突破しており、台風の目になりうる。長江晃尚(3年)はエースで4番打者。打線は中軸を中心につながる。

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著者プロフィール

1984年生まれ、岐阜県出身。名古屋大を卒業後、新聞社記者を経て現在は東海地区の高校、大学、社会人野球をくまなく取材するスポーツライター。年間170試合ほどを球場で観戦・取材し、各種アマチュア野球雑誌や中日新聞ウェブサイトなどで記事を発表している。「隠し玉」的存在のドラフト候補の発掘も得意で、プロ球団スカウトとも交流が深い。

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