髙橋仁胡、チェイス・アンリ、福井太智、福田師王……U-20W杯を戦う日本代表をワンランク上へと押し上げる4人の欧州組

松尾祐希
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U-20W杯を戦う日本代表メンバー21人のうち、欧州組はこのチェイス・アンリなど史上最多の4人。彼らは日常的に世界基準を肌で感じている 【(c)AFC】

 現地時間5月20日にアルゼンチンで幕を開けたU-20ワールドカップ。初の世界一を目標に掲げるU-20日本代表メンバー21人の中には、史上最多4人の欧州組が名を連ねている。予選を兼ねた今年3月のU20アジアカップを戦った髙橋仁胡に加え、チェイス・アンリ、福井太智、福田師王と、いずれも10代の才気あふれるタレントだが、はたして彼らを選出した狙いはどこにあるのか。21日に迫ったセネガルとのグループステージ初戦を前に、4人の現在地をレポートする。

日常がワールドカップのレベルに近い

 Jリーグが産声を上げてから30年。その歴史の積み重ねとともに、日本サッカーのレベルは右肩上がりの曲線を描いてきた。今や日本人選手がヨーロッパでプレーするのは当たり前の時代になり、A代表の大半を欧州組が占めるようにもなった。日本が初めてワールドカップに出場した1998年フランス大会のメンバー全員が国内組だったことを思えば、隔世の感があるだろう。

 加速する海外移籍の流れは五輪世代、さらにはU-20世代にも影響を与えている。過去、海外クラブに所属しながらU-20W杯に出場した選手は、2017年大会の山口瑠伊(当時ロリアン/現水戸ホーリーホック)しか例がないが、10代で日本を離れるケースが増えた昨今、U-20代表においても欧州組の存在は珍しくなくなった。事実、現地時間5月20日にアルゼンチンで幕を開けたU-20W杯には、史上最多4名の欧州組が代表メンバーに選出されている。

 DFチェイス・アンリ(シュツットガルト/19歳)、DF髙橋仁胡(バルセロナ/17歳)、MF福井太智(バイエルン・ミュンヘン/18歳)、FW福田師王(ボルシアMG/19歳)。彼らはいずれも10代のうちから海外でプレーしている逸材だ。ただし、4人とも所属クラブでは、まだトップデビューを果していない。ではなぜ、U-20日本代表を率いる冨樫剛一監督は、欧州組とはいえセカンドチームやアンダーカテゴリーでプレーする彼らをメンバーに加えたのか。もちろん、将来性だけで決めたわけでも、欧州組を特別扱いしているわけでもない。

「ゲームを含めて、彼らが今戦っている日常がワールドカップのレベルに近い。我々のチームの力になるはずだし、必要になる選手という観点で選出させてもらった」

 指揮官は4月上旬にヨーロッパへ足を運び、彼らの状態を直接チェックした上で招集の判断を下したのだ。ならば実際のところ、現時点での欧州組4人の状態はどうなのか。指揮官の言葉をベースに、彼らの現在地を探っていく。
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著者プロフィール

1987年、福岡県生まれ。幼稚園から中学までサッカー部に所属。その後、高校サッカーの名門東福岡高校へ進学するも、高校時代は書道部に在籍する。大学時代はADとしてラジオ局のアルバイトに勤しむ。卒業後はサッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフ千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。

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