熱戦開幕! プロ野球2023

勝利の方程式候補のドラ2右腕に注目! 識者のパ・リーグ「ルーキー即戦力ランキング」

西尾典文

2022年のドラフト会議で大きな話題を呼んだ、日本ハムの加藤豪将。MLBからNPBに“逆輸入”された28歳のオールドルーキーは今季、どのような成績を残すのだろうか 【写真は共同】

 今年も多くのルーキーが注目を集めている。昨年は大勢(巨人1位)が抑えに定着して見事新人王を獲得したが、それ以外の選手を見てみると、セ・リーグでは松本竜也(広島5位)、パ・リーグでは北山亘基(日本ハム8位)、上川畑大悟(日本ハム9位)、野村勇(ソフトバンク4位)など、下位で入団した選手の活躍が目立った。

 そこで、本稿ではドラフトの順位に関係なく即戦力として期待できるパ・リーグのルーキーを、アマチュア野球に精通したスポーツジャーナリストの西尾典文氏がランキング形式で紹介していく。(※オープン戦の成績は3月19日終了時点)

1位:小孫竜二(鷺宮製作所→楽天2位/投手)

楽天の小孫竜二。過去3度の指名漏れを経て、楽天からドラフト2位で指名された苦労人だ 【写真は共同】

 150キロ台中盤のストレートが魅力のパワーピッチャー。高校、大学、社会人2年目と3度の指名漏れを経験したが、それでもプロ入りを諦めることなくレベルアップし、2位という高い順位での指名を勝ち取った。軽く投げているようでも150キロを超えるストレートの勢いは一軍でも上位のレベルで、カットボール、フォークなど変化球のレベルも高い。少し投球が単調になるのが課題で、長いイニングでは崩れるシーンも目立つが、ボール自体は間違いなく一級品だ。リリーフとして起用すれば、1年目から勝ちパターンのセットアッパーとして期待できるだろう。

2位:加藤豪将(3Aシラキュース→日本ハム3位/内野手)

 2013年のMLBドラフトで指名され、逆輸入という形でNPB入りすることとなった万能タイプの内野手。メジャーでの試合出場は昨年の8試合のみだが、マイナーリーグでの経験は豊富で、今年で29歳という年齢を考えると1年目から勝負となる。内野の全ポジションに加えて、外野も守れる点も大きな長所だ。本来であれば1位とするのが当然だが、開幕前にわき腹を痛めて長期離脱が決まり、チーム内の競争も激しいこともあって、2位という評価とした。

3位:金村尚真(富士大→日本ハム2位/投手)

 地方リーグながら、即戦力としての期待が高い実戦派右腕。テイクバックの小さいフォームでボールの出所を上手く隠し、コーナーいっぱいに投げ分ける制球力は、既に一軍でも上位のレベルにある。短いイニングであればストレートも150キロを超え、手元で鋭く横に変化するカットボールも必殺の武器だ。オープン戦でもここまでルーキーらしからぬ堂々とした投球を続けており、評価は上がるばかりである。起用法はまだ不透明だが、先発でもリリーフでも1年目から一軍の戦力として期待できるだろう。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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