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サイヤング賞投手・バウアーのDeNA加入にセ界騒然!?  識者が見たセ・リーグ新外国人選手「上位10選」

宇根夏樹
 今季、NPBでプレーする新外国人選手のなかで、即戦力として活躍を見込める選手は誰か。MLB専門誌『スラッガー』元編集長で、アメリカ野球に精通した宇根夏樹氏に、セ・リーグの新外国人選手から上位10選手を選出してもらった。

1位:バウアー(DeNA/投手)

DeNAは3月14日、インディアンス、レッズ、ドジャースなどで活躍したバウアーの獲得を発表した。2020年にサイ・ヤング賞を受賞した大物投手の加入はまさに青天の霹靂。今季最注目の新外国人選手だ。 【Photo by Meg Oliphant/Getty Images】

 フィールド外の行動の是非はさておき、その実力は、他の新外国人選手とは比較にならない。最後の登板は2021年の6月下旬だが、20年以降の計28先発で180.2イニングを投げ、奪三振率11.81と与四球率2.69、防御率2.24を記録している。20年のシーズンと21年の前半戦に計150イニング以上の42人中、奪三振率は4番目に高く、防御率は2番目に低い。20年にはサイ・ヤング賞を受賞。現在の年齢は32歳だ。速球系は4シーム、カッター、シンカーの3種。変化球はスライダーとカーブに加え、左打者にはチェンジアップも用いる。

2位:ケラ(ヤクルト/投手)

 癖のないフォームから、95マイル(約152.9km)前後の4シームと落差の大きいカーブを、半々に近い割合で投げ込む。テキサス・レンジャーズとピッツバーグ・パイレーツで過ごした2018年は、夏のトレードで移籍するまでクローザーを務め、24セーブを挙げて失敗は1度しかなかった。抜群のコントロールではないものの、制球難というほど悪くはない。昨年のメジャー登板がなかったのは、21年の5月にトミー・ジョン手術を受けたのが理由だ。昨夏のマウンド復帰に続き、今年は日本で完全復活を果たしても不思議ではない。

3位:ブリンソン(巨人/外野手)

巨人・ブリンソンは昨季、マイナーでプレー。打率.298、22本塁打をマークしている。 【Photo by Michael Reaves/Getty Images】

 少年時代に好きだったホアン・ピエールにあやかり、2018~19年はマイアミ・マーリンズで背番号「9」をつけていた。通算614盗塁のピエールのような、スピードに特化した選手ではなく、5ツールを備える。平均程度の選球眼さえ持ち合わせれば、メジャーでセンターを守り、20-20や30-30を達成していたかもしれない。通算の四球率は5.0%に過ぎず、三振率は28.4%と高い。ただ、メジャー357試合の打率.198と出塁率.246とOPS.574に対し、3Aの293試合は.307と.372と.915を記録している。両クラスの間の「4Aプレーヤー」といったところだ。

4位:アキーノ(中日/外野手)

 直立に近いオープン・スタンスで構え、バットに当たった打球はよく飛ぶ。2019年は3Aの78試合で28本塁打を記録した後、メジャーの56試合で19本のホームランを打った。その一方で、バットが空を切ることも多く、昨年の三振率は3Aとメジャーのどちらも36%を超えた。もっとも、日本での経験が豊富なダヤン・ビシエドを手本にアジャストできれば、本塁打王の可能性は低くない。肩もずば抜けて強く、昨年はナ・リーグの外野手で最多の12補殺。これは、ほぼ半シーズンで記録した数だ。盗塁は少ないが、足も速い。

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著者プロフィール

1968年生まれ、三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長で、現在はフリーランスのライター。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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