熱戦開幕! プロ野球2023

サイヤング賞投手・バウアーのDeNA加入にセ界騒然!?  識者が見たセ・リーグ新外国人選手「上位10選」

宇根夏樹

5位:デビッドソン(広島/内野手)

広島・デビッドソンはMLB通算54本塁打の大砲候補。ホワイトソックスに所属していた2017年に26本塁打、18年に20本塁打を記録している。 【写真は共同】

 昨年、3Aの86試合で32本塁打を記録したパワーは本物だ。2017~18年はメジャーで26本塁打と20本塁打。この2年間の計46本中20本は、変化球をスタンドまで運んだ。17年の夏には、上原浩治から476フィート(約145.1m)の特大アーチも打っている。18年の開幕戦3本塁打は、メジャー史上4人目。その2人目であるタフィー・ローズは、メジャーでは大成できなかったものの、日本で本塁打王を4度獲得した。三振は多めなので、しばらくは辛抱強く起用する必要があるかも。守備は、三塁より一塁のほうが無難。足は遅い。

6位:ビーズリー(阪神/投手)

 コンスタントに95マイル(約152.9km)を超える4シームに、2種類の変化球を織り交ぜる。スライダーは弧を描くように曲がり、スプリッターは落下というよりスッと沈む。昨年は3Aとメジャーを行き来しつつ、それぞれ38.0イニングと15.0イニングを投げ、防御率2.61と4.80を記録した。スポーツ・イラストレイテッドのミッチ・バノンによると、2021年に乱れた制球を改善するため、そのオフはバケツの蓋を的にした9分割のストライクゾーンを作り、投げ込みをしたという。今春は来日後に右膝を痛め、開幕には間に合わない。早期の復帰が待たれる。

7位:ミエセス(阪神/外野手)

阪神・ミエセスはマイナー通算140本塁打のパワーヒッター。2021年はドミニカ共和国代表として東京五輪に出場し、銅メダル獲得に貢献した。 【写真は共同】

 見た目のとおり、パワーを売りとする。過去2年は、3Aと2Aの計142試合で31本塁打。2Aで開幕を迎えた2021年は、最初の21試合で11本塁打と打ちまくった。また、この年はドミニカ共和国代表として東京五輪に出場し、2本塁打を記録している。どちらも価値ある一発で、銅メダル獲得に大きな貢献をした。その一方で三振も少なくなく、日本戦は山本由伸(オリックス)と青柳晃洋(阪神)に計3三振を喫した。大当たりか大外れか、どちらにしてもはっきりとした結果が出そうだ。守備はうまくないが、肩は強い。

8位:グリフィン(巨人/投手)

 ドラフト順位は2014年の全体28位と高く、高校生の左投手に限ると、3番目に指名された。マイナーでは21年まで先発投手として投げていて、16~19年は4年続けて130イニング以上を記録した。90マイル(約144.8km)前後のカッターを軸に、ゴロを打たせる投球を持ち味とする。他の球種は、4シーム、カーブ、チェンジアップ。球威で打者を圧倒するタイプではないので、打ち込まれる危険も伴う。昨年6月のロサンゼルス・エンジェルス戦でも、大谷翔平から三振を奪ってイニングを終える前に、二塁打2本を含む3安打を喫した。

9位:ビーディ(巨人/投手)

 シーズンを通して先発マウンドに上がっても、4シームとシンカーの平均球速は95マイル(約152.9km)近くを記録するはずだ。そこに、チェンジアップ、カーブ、スライダーを交える。資質は高く、高校時代も大学時代もドラフト1巡目指名を受けた。2011年が全体21位、14年は全体14位。今年から巨人のチームメイトとなるグリフィンは、14年の全体28位だ。ただ、グリフィンと違い、制球には不安を残す。プロ入り前から課題とされていたが、まだ解消できていない。強く投げようとするせいか、リリース・ポイントが一定しないことがある。

10位:ウェンデルケン(DeNA/投手)

 オープン戦の初登板で3人続けて空振り三振に仕留めたが、メジャーでは通算159.2イニングで奪三振率8.51に過ぎず、むしろ与四球率3.95のほうが目につく。リリーフ投手にしては球種が多く、4シーム、スライダー、チェンジアップ、シンカーに、カーブもたまに投げる。好投できるかどうかの鍵を握るのは、スライダーだろう。メインの変化球をカーブからスライダーに変えた2020年は、チームの60試合中21試合に登板し、防御率1.80を記録した。ただ、その後もスライダーを多投しているものの、21年と22年の防御率は4.33と5.28だ。

(企画構成:スリーライト)

2/2ページ

著者プロフィール

1968年生まれ、三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長で、現在はフリーランスのライター。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント