全国4強から再出発の神村学園 FW西丸とMF名和田の連係が飛躍の鍵に
連係プレーで得たゴールを喜ぶ西丸(左)と名和田 【筆者撮影】
神村学園の主将を務めるFW西丸は「最初の決定機を自分が外して、相手に流れが行ってしまった。自分自身、城西に負けたことは、ほとんどなかった。同じ県のライバルとして負けたら悔しいし、これで鹿児島の代表は城西と思われるのが悔しい。やっぱり、鹿児島と言えば神村というところを取り返していかないといけない」と悔しさを噛み締めた。
昨冬の選手権予選となる県大会は6連覇を達成。神村学園は、強豪ひしめく鹿児島県の中心的存在となった。当然、ライバルに狙われる存在だ。16年ぶりの全国4強も相手の対抗心を刺激する。追われる立場の難しさを感じさせられた大会となった。
福田の13番を継いだFW西丸が背負う、主将としての苦悩
点取り屋の西丸は、主将としての働きにも四苦八苦 【筆者撮影】
FW西丸は、主将の重みを感じている。有村圭一郎監督によれば、選手権で敗れた翌日、次の主将は誰がやるのかと聞かれた西丸は、別の選手の名前を挙げたという。西丸は、その理由を「今年は(高卒でプロ入りを果たすための)勝負の年、自分に集中したい思いが強くて、主将はちょっと重いという気持ちでした」と明かした。2年生で出場した選手権の全国大会では、2得点を挙げるなど活躍。プロのスカウトの目に留まった。今季は、評価を上げてオファー獲得を狙うシーズン。福田が着けていた13番を継承し、ストライカーとしての仕事に集中したいと考えていた。しかし、有村監督や昨季の主将を務めた大迫と話す中で、悩みに悩んだ末に自分が引き受けることを決断した。「まだ自分のことで精いっぱいになっている」と話し、自分のプレーと、チーム全体、両方の進化に気を配る難しさを今は感じている。
何しろ、プレー面でも昨季とはまったく違う動きにトライしている。昨季は福田とのツートップで、ターゲットとなる福田を見て動きを“受け身”で決めることができた。しかし、九州新人大会では西丸のワントップ。前線で相手の背後へ抜け出すか、後方の味方に近付いて縦パスのターゲットになるか、周りと合わせるのが難しい。「まだ動き方も分からない。師王さんに聞いたり、映像を見たりしている」と試行錯誤の段階だ。それでも、九州新人大会では、6試合で8得点を挙げて得点王の活躍を見せた。ゴールを決め、仲間に声をかけてチームをけん引していく、その挑戦は、まだ始まったばかりだ。
快足サイドバックの吉永は、中盤のプレーにトライ
左サイドバックの吉永は、中盤でのプレーにも挑戦している 【筆者撮影】