高校サッカー、鹿児島の覇権争いが激化 鹿児島城西が神村学園を破って九州制覇
神村学園とは異なる特長
九州大会決勝で2得点を挙げた中村 【筆者撮影】
強い岡留と、速い矢吹のツートップも強烈。決勝で2ゴールを決めたMF中村玲音(1年)ら下級生にも有望株がいる。センターラインは競り合いに強い選手が多く、駆け引きや技術に長ける神村学園に対して、異なる特長をぶつけて勝負できるチームでもある。両足を巧みに使ってパスを繰り出すMF坂上は「神村には西丸とか名和田とか注目されている選手がいるけど、総合力では自分たちが上だと思っている」と自信を示した。ツートップを生かして速攻を仕掛けた後、二次攻撃ではボールを保持して両サイドへ散らす攻撃のバリエーション増を目指しており、進化が楽しみなチームだ。
同じ県内には、スタイル転換中の鹿児島実業も
神村学園、鹿児島城西、鹿児島実業――鹿児島には、強豪が揃う。どの都道府県でもライバル争いは見られるが、鹿児島県勢同士で九州の頂上決戦を行えるレベルで、彼らにとっては「鹿児島最強」の争いは、あくまでも通過点。日本最強の座を得るための切磋琢磨から、全国トップクラスの強豪チームが生まれ出る。22年度にFW福田師王(ボルシアMG)、MF大迫塁(C大阪)らを擁して全国4強に進んだ神村学園の躍進が、県内の切磋琢磨をより激しいものにしたことは、間違いない。2年連続となる鹿児島県勢の躍進も十分にあり得るが、県代表の座をつかむのは、どこか。まずは、新1年生が入学してシーズンが本格化する4月から、リーグ戦を通して夏のインターハイへ。覇権争いはますます激しくなりそうだ。