高校サッカー準決勝、神村学園vs.岡山学芸館を展望 タレント集団を術中にはめられるか!?

安藤隆人
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ボルシアMG入り・福田擁する神村学園に岡山学芸館が挑む 【写真は共同】

 101回目を迎えた全国高校サッカー選手権大会もいよいよ準決勝。本稿では、全国屈指のタレント集団・神村学園と、快進撃を続ける岡山学芸館の一戦をプレビューしたい。

福田だけではないタレント集団

 強烈な個のタレントをそろえた神村学園が、ついに16年ぶりの国立までやってきた。

 今大会、話題の中心になっているのが、卒業後にドイツ・ブンデスリーガのボルシアMGに加入する高校No.1ストライカー・福田師王。屈強なフィジカルとずば抜けた身体能力を誇る。

 福田に注目が集まりがちだが、その周りを固める陣容も全国トップクラスだ。攻撃を司るボランチ・大迫塁(セレッソ大阪内定)は常に全体のポジション配置を見ながら、どこにパスを送れば効果的か、リズムが生まれるかだけではなく、どこに出せば自分が飛び出せるスペースが生まれるかまでを狙っている。つまり、パスを出すことをメインにするのではなく、チームとしても個人としてもいかに効率よくシュートまで持っていけるかを常に狙って動いている。だからこそ、相手にとっては厄介極まりない。

福田と2トップを組む西丸(写真右)は今大会絶好調。準々決勝の青森山田戦では同点弾を決めている 【写真は共同】

 さらに福田と2トップを組む2年生・西丸道人は今大会絶好調。福田にマークが行くのを見越して、自らは相手の視野から消える動きで、ゴール前のエアポケットに入り込む。足元の技術もあり、ボールを受けてから福田をオトリにしながら仕掛けることもできる。

 1年生MF金城蓮央、サイドバックの2年生・吉永夢希がコンビを組む左サイドの仕掛けもハイレベルで、金城のタメとスペースを作る動きに、吉永のスプリント力と左足の精度がリンクして、左からダイナミズムを生み出す。レフティーの2年生MF高橋修斗、U-16日本代表アタッカー・1年生の名和田我空というタレントもベンチにおり、まさに変幻自在の魅力的なチームに仕上がっている。

快進撃・岡山学芸館の強みは?

 対する岡山学芸館は準々決勝でチームとしての方向性をきちんとやり抜く強さを証明した。3回戦で強固なブロックを敷いて履正社をPK戦の末に下した佐野日大に対し、積極的な縦パスで壁をたたき続けた。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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