連載:愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方

中村憲剛が抱いていた強い思い 「ピッチ外の活動をしながら絶対に勝ちたい」

原田大輔
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引退セレモニーは1万3000枚のチケットが完売した 【(C)J.LEAGUE】

 2020年12月21日―――等々力陸上競技場で、中村憲剛の引退セレモニーが行われた。

 川崎フロンターレ一筋で18年間プレーした中村の引退セレモニーは、ホーム最終戦のあとに行われたわけではなく、別日にチケットを販売して、彼のためだけにファン・サポーターを集めて行われた。
 コロナ禍でありながら、発売した約1万3000枚のチケットは完売した。真冬の寒空のなかで実施された引退セレモニーは、クラブに貢献してくれた中村への感謝をクラブが示す、または中村がファン・サポーターに感謝を伝える機会だけではなかった。一人の選手の引退に、クラブが手をかけ、段取りを行い、花道を作るという意味では、サッカー選手の価値自体を確立するうえでの布石になった。これが、まず一つ目の意義と言えただろう。

 セレモニーも終盤になり、ステージでスポットライトを浴びた中村は、クラブ、地域、ファン・サポーターに向けて、こう思いを届けた。
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著者プロフィール

1977年、東京都生まれ。『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めた後、2008年に独立。編集プロダクション「SCエディトリアル」を立ち上げ、書籍・雑誌の編集・執筆を行っている。ぴあ刊行の『FOOTBALL PEOPLE』シリーズやTAC出版刊行の『ワールドカップ観戦ガイド完全版』などを監修。Jリーグの取材も精力的に行っており、各クラブのオフィシャルメディアをはじめ、さまざまな媒体に記事を寄稿している。

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