【選手名鑑】ヌっ、ヌエストラセニョーラデファテマ高校!? 外国人選手の長~~い出身校名を“超訳”してみた

カネシゲタカシ

外国人選手の出身校名はときどきクセが強い 【イラスト:カネシゲタカシ】

中南米系選手たちの出身校名がすごい

 選手名鑑で外国人選手を見る際、ふとに気になるのが「出身校の名前」だ。特に中南米系の選手たち。ときに日本人からみて“ちょっと何言ってるのかわからない”レベルの難解さなのだ。

 たとえば昨年のベストナインにも輝いたヤクルトのホセ・オスナはベネズエラ出身。「ヌエストラセニョーラデファテマ高」を出ている。どうだろう。全くピンと来る箇所がない。まるで呪文のようである。
 他にもDeNAのエドウィン・エスコバーが「インスティテゥト・ディオセサノ・バルキシメト高」だったり、中日から日本ハムに移籍したキューバ生まれの捕手、アリエル・マルティネスが「コマンダンテ・マヌエル・ピティ・ファハルド体育大」だったり。スペイン語圏の校名の“取っ掛かりのなさ”は野球ファンの間でもたびたび話題になる。
  漢字圏はまだわかる。例えば育成契約から出直しをはかる王柏融(日本ハム)は「穀保高級家事商業職業学校」の出身。調べると全国大会5連覇中の名門で「穀保家商」とも略される。日本の商業高校にあたることは、漢字からも容易に想像がつく。ところがスペイン語だとそうもいかない。

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 だが呪文のように見える学校名も、意味を紐解けばきっと理解できるはず。さらに野球ファン向けに“超訳”すれば、より親しみやすいのではないか。さっそくやってみよう。

「ヌエストラセニョーラデファテマ高」、直訳すると?

 ヤクルトのオスナの出身校は「ヌエストラセニョーラデファテマ高」だ。まずこれは「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ファテマ」と区切るのが正解。「ヌエストラ・セニョーラ」はスペイン語で「聖母」を意味し、教会や船舶の名前にも冠される言葉。そして「デ(de)」は英語の「of」にあたる前置詞。「ファテマ」は地名。聖母マリアが現れたとされるポルトガルの町の名が「ファテマ(ファティマ)」で、校名はその逸話に由来すると思われる。

 直訳するなら「ファテマの聖母高校」

 日本にも福島県に「桜の聖母学院高校」があるので、それに近いのではないか。野球ファン向けに超訳するなら元中日ドラ1・鈴木翔太の出身校、静岡県の「聖隷クリストファー高校」あたりをイメージすれば良いかもしれない。ちなみに「聖隷」は「聖なる神様の奴隷(しもべ)」の意味、「クリストファー」は伝説的殉教者の名前だとか。2013年のドラフト時に話題となった校名のおさらいもしてみた。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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