【補強診断】2球団にA評価判定! 主力の移籍や退団…パ・リーグは勢力図に大きな変化

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西武 評価C

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 チームのレジェンド・松井稼頭央が満を持して監督に就任する西武は、チーム打率.229とリーグ最下位に沈んだ打線の立て直しが急務になる。そんな中で森がFA移籍したことは大きな痛手となったが、同じくFA権を取得した外崎修汰の引き留めに成功した。低迷する打線を建て直すべく、今オフはマキノンとペイトンの2人の助っ人野手を獲得。両者は今季3Aで好成績を収めており、中軸打者としての活躍が期待される。また現役ドラフトでは、パンチ力が売りの陽川尚将が加入した。今季は阪神で打率.294をマークしており、右の代打として打線に厚みを持たせるだろう。ドラフトでは即戦力外野手の蛭間拓哉をドラフト1位で指名。チームは外野手のレギュラーを固定できていないだけに、1年目から多くの出番をつかめる可能性がある。森の移籍こそあったものの、打力に秀でた選手を数多く集めることには成功している。

 一方、リーグトップの防御率を記録した投手陣は、10勝を挙げたエンスと契約延長に成功したことで体制を維持している。また、勝ちパターンとして絶対的な存在だった平良海馬が先発に転向することになった。リリーフの枚数はそろっているだけに、この配置転換はチームにとって大きなプラスとなる可能性を秘めている。そのブルペン陣には、森のFA補償でオリックスから張奕、新助っ人のティノコを迎えて、補強を図っている。

楽天 評価A

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 今季チーム防御率がリーグ最下位に沈んだ楽天。ドラフトでは即戦力候補の投手を5人指名して、早期の建て直しを図っている。現状の先発陣は30代が多く、上位で指名した荘司康誠や小孫竜二は数年のうちにローテーションを任される存在となりたいところだ。新外国人では今季メジャーで35試合に登板したバニュエロスを獲得しており、投手陣の枚数を増やしている。現有戦力ではFA権を所有している田中将大と辛島航が残留しており、戦力の低下を防いでいる。

 一方の野手では、中心選手である浅村栄斗が残留したことが何より大きかった。さらに、チームの課題である右打者の補強に力を入れた。特に涌井秀章との交換トレードで中日から獲得した阿部寿樹の存在は大きいだろう。今季は31二塁打、9本塁打を記録しており、塁上の走者を返す役割が期待される。そのほか現役ドラフトで広島から正隨優弥、新人では社会人出身の平良竜哉、助っ人ではメジャー通算130本塁打の実績を誇るフランコと打力が売りの右打者を次々に迎え入れた。近年は左の好打者はそろっている一方で、浅村に次ぐ右打者を欠いていただけに、彼らへの期待は大きいだろう。投打にバランスの取れた編成ができており、来季は球団10年ぶりの優勝をかけた勝負の年となるはずだ。

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