【補強診断】2球団にA評価判定! 主力の移籍や退団…パ・リーグは勢力図に大きな変化

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ロッテ 評価D

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 来季から吉井理人監督が指揮を執るロッテは、補強に関してここまで目立った動きを見せていない。先発では今季8勝を挙げたロメロが退団した一方、ドラフト1位で菊地吏玖、巨人で活躍したメルセデスを獲得した。メルセデスはNPB通算29勝と日本の野球を熟知しており、新天地でも白星を積み重ねる見込みが高い。新外国人のカスティーヨは今季3Aで防御率1.61をマークしており、新人では左腕の高野脩汰がブルペン陣の一員として期待されている。オスナとゲレーロの退団でリリーフ陣の再編は急務であり、投手育成や運用に定評のある吉井監督の手腕が早速試されそうだ。

 野手では、近年の打線を引っ張ってきたレアードとマーティンが退団するも、現時点で助っ人の新加入情報は出てきていない。ただ、今季もキャンプイン後に2人の外国人と契約しており、年明け以降に新助っ人が加入する可能性は高いだろう。またルーキーでは、友杉篤輝が即戦力内野手として期待されている。チームはここ数年、遊撃のポジションを固定できておらず、1年目から定位置争いに加わりそうだ。現役ドラフトで獲得した大下誠一郎をはじめ、上位進出へは現有戦力の成長が不可欠な状況である。

日本ハム 評価B

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 最下位に終わった日本ハムは、積極的な補強に動いた。投手ではトレードで齋藤友貴哉と齋藤綱記、現役ドラフトでは松岡洸希を獲得。リリーフは今季リーグワーストの防御率3.83と苦しんでいただけに、ブルペン陣を強化したいというチーム方針がうかがえる。ルーキーではドラフト1位の矢澤宏太が投打二刀流に挑戦する。投手としてはショートイニングでの起用が予想されており、野手としての出場とどう組み合わせるかが注目だ。金村尚真は即戦力投手として期待を集めており、ローテーション入りを目指して春先からアピールを重ねたい。

 一方の野手では、近藤の退団は痛手となったが、新戦力は充実している。FAの制度導入後、球団は過去2選手の獲得にとどまっていたが、今オフはオリックスから伏見寅威を獲得した。日本一を経験した道産子捕手の加入は、チームの改革を進める動きを象徴しているだろう。また、中日から獲得したマルティネスは、スラッガーとして大きな期待を受ける。新本拠地のエスコンフィールド北海道は、本塁打の出やすい打者有利の球場ということもあり、さらなる成績向上も見込まれるだろう。そして、ドラフトではメジャーの経験もある加藤豪将の獲得に成功した。ドラフト新人ではあるものの、スペックとしては助っ人野手に近い存在である。逆輸入の大型内野手として、来季は二塁のレギュラー1番手に挙げられるだろう。

総括

 今オフは吉田正と千賀がメジャーに挑戦。森や近藤、伏見が同リーグ内でFA移籍するなど、チームの主力となる選手の移籍や退団が相次ぎ、リーグの勢力図に大きな変化があった。中でもソフトバンクは大幅な戦力補強を行い、シーズンオフを大いににぎわせた。最下位に沈んだ日本ハムも積極的な補強の姿勢を見せ、来季のパ・リーグは混戦の様相を見せている。今季は投高打低といわれるシーズンとなっただけに、新外国人野手の成否はチーム順位を大きく左右することだろう。

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