黒田剛監督が選ぶ「青森山田ベストマッチ②」【後編】 エースを中心に全員で勝ち取った栄冠
2018年度大会では流経大柏との決勝を逆転で制し、2年ぶり2度目の日本一に輝いた。黒田監督は何より安堵感を覚えた最初の優勝とは異なり、「本当の感動にたどり着けた」と振り返る 【AFLO】
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背中を追い続けた名将たちと同じ快挙を実現
黒田監督は初優勝の「安堵感」とは異なる感覚で、2度目の選手権制覇の瞬間を迎えていた。
「こういう日がまた来るのか、という不安はありましたよ。1回目優勝して、次の年は郷家(友太)の代で(小嶺忠敏監督率いる長崎総科大附に敗れて)3回戦敗退。1回はフロックでもあるでしょうって。でも、2回目は果たしてできるのか、と思って翌年は3回戦負けで、それでいて1年空けてまた優勝できたので、嬉しかったですね」
1976年度の首都圏開催移行後、選手権で複数回優勝しているのは2018年当時、帝京(東京)、古河一(茨城)、清水市立商(静岡)、国見(長崎)、市立船橋(千葉)、東福岡(福岡)、鹿児島実(鹿児島)の7チームだけだった(その後、山梨学院も2度目の優勝)。2004年度に鹿児島実が2度目の優勝を飾ったが、野洲(滋賀)が初優勝した2005年度から6年連続で新王者が誕生するなど混戦の時代へ突入。国見が制した2003年度以降の15大会は全て異なる学校が優勝しており、複数回勝つことの難しさを黒田監督自身も分かっていた。
それでも、青森山田は2018年度大会で2度目の選手権制覇。特に決勝では青森山田らしいサイド攻撃と堅守によって、強敵に逆転勝ちしての優勝だった。
1995年の監督就任当時の部員数は18人。ボコボコの土のグラウンドで監督生活をスタートした黒田監督は、背中を追い続けた小嶺忠敏監督(国見)や松澤隆司監督(鹿児島実)、古沼貞雄監督(帝京)と同じく、選手権での複数回優勝(総監督としての優勝を含む)を実現した。
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