連載:WBCに挑む侍ジャパンのベストオーダーは?

ファンが選ぶ!WBC・侍ジャパンの先発投手陣 1位はメジャーの2人を抑えて…

前田恵
 2023年3月8日に開幕する第5回WBC。ファンにとっては、世界を股にかけた真剣勝負がプロ野球開幕の1カ月前から見られるのは、うれしい限りだ。ただ、そこで先発を担う投手陣は通常より早めに肩を仕上げなければならず、調整の難しさが課題としてのしかかる。そんな難題をも超えて、侍ジャパンの大黒柱になってほしい3人を、読者が選んでくれた。

ファンが選ぶ! WBCベストメンバーポジション別ランキング 先発投手編

1位:山本 由伸(オリックス)  得票率 73.66%
2位:大谷 翔平(エンゼルス)  得票率 67.47%
3位:ダルビッシュ 有(パドレス)得票率 60.88%
4位:千賀 滉大(ソフトバンク) 得票率 17.60%
5位:佐々木 朗希(ロッテ)   得票率 16.47%
6位:青柳 晃洋(阪神)     得票率 8.66%
7位:今永 昇太(DeNA)     得票率 5.43%
8位:髙橋 宏斗(中日)     得票率 4.99%
9位:森下 暢仁(広島)     得票率 3.34%
10位:高橋 奎二(ヤクルト)   得票率 2.80%
   戸郷 翔征(巨人)     得票率 2.80%
12位:大野 雄大(中日)     得票率 2.11%
13位:伊藤 大海(日本ハム    得票率 1.78%
14位:菊池 雄星(ブルージェイズ)得票率 1.71%
15位:田中 将大(楽天)     得票率 1.65%
16位:宮城 大弥(オリックス)  得票率 1.42%
17位:伊藤 将司(阪神)     得票率 1.28%
18位:山岡 泰輔(オリックス)  得票率 1.19%
19位:菅野 智之(巨人)     得票率 1.13%
20位:加藤 貴之(日本ハム)   得票率 0.92%

2年連続の「4冠投手」が堂々の1位にランクイン

日本シリーズでの脇腹故障が気がかりな山本由伸だが、WBCまでに万全に仕上げてくると期待したい 【写真は共同】

 得票率73.66%で1位に選ばれたのは、山本由伸(オリックス)だ。先ごろの日本シリーズでは初戦に先発し4回4失点KO、脇腹故障のため登板はその1戦のみに終わった。しかし、史上初の2年連続投手4冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)に輝いた実力を「球の伸びや、変化球の曲がり具合など海外の選手にも通用すると思う」(以下、「カギカッコ」内は読者のコメント)と評価された。現時点で「紛れもない日本のエース」。世界の猛者たちをバッタバッタなぎ倒す姿が見たいと思うのは当然だろう。

シーズンでは先発の大谷翔平だが、中継ぎ、抑えでの起用を望むファンの意見も多かった 【Photo by Thearon W. Henderson/Getty Images】

 2位は得票率67.47%の大谷翔平(エンゼルス)。今季は投手として防御率2.33の15勝、打者としては打率.273、本塁打34の成績を残した。こちらはやはり、「二刀流での活躍を期待しているから」との声が多かった。今季、投手として挙げた奪三振率11.87の数字に注目し、「イニングが少ない中で三振が奪えるのは魅力」と分析した読者も。また、先発ではなく「打者と、中継ぎ抑えでフル回転してほしい」という意見もあった。

世界一の経験を投手陣全体に伝えてほしい

36歳ながら衰え知らずのダルビッシュ有。若い投手たちに多大な影響を与えてくれそうだ 【Photo by Rob Tringali/MLB Photos via Getty Images】

 続いて今や国際大会でもベテランとなった、ダルビッシュ有(パドレス)。得票率60.88%の3位である。今季は12年のメジャー1年目に並ぶキャリア最高の16勝を挙げ、日本人MLB選手で唯一ポストシーズンに進出した。「09年にWBC世界一になったときの胴上げ投手ですし、変化球もキレキレなので、実際に投げてほしいなと思います!」と、その「圧倒的な経験」によるピッチングと、投手陣全体に及ぼす好影響を多くの読者に期待されている。

WBCで東京五輪のリベンジを

防御率・勝利数・勝率の投手三冠を獲得した阪神・青柳晃洋。WBCでも安定感を発揮してほしいというファンの声が多かった 【写真は共同】

 今回のアンケートで得票率50%を超えた投手は、山本、大谷、ダルビッシュの上位3人のみ。この上位3人が、日米球界でそれほど傑出した存在であった証左だろう。4位からは得票率がぐんと下がる。4位の千賀滉大(福岡ソフトバンク)は得票率17.6%、5位の佐々木朗希(千葉ロッテ)は同16.47%。千賀を推す声のキーワードは「フォーク」、佐々木朗は「ストレート」と「将来性」が選出のポイントとなった。

 ところで、6位の青柳晃洋(阪神=得票率8.66%)には、「(2020東京)五輪のリベンジを果たしてほしい」との声が多数届いた。五輪では2度のリリーフで共に失点。それでも大会中に迎えた稲葉篤紀監督の誕生日に歌を熱唱するなど、チームのムード作りに努めた人柄が、今も読者の記憶に残っているようだ。

 今回の侍ジャパンも、良いチーム・ケミストリーが生まれるような選手選びをまずは望みたい。

<企画構成:スリーライト>
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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