連載小説:I’m BLUE -蒼きクレド-

[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第9話「個人面談に潜むリスク」

木崎伸也 協力:F
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舞台は2038年。11月開催のインド・ワールドカップに向けて、日本代表は監督と選手たちの間に溝が生じていた。
日本代表の最大の弱点とは何か?
新世代と旧世代が力を合わせ、衝突の中から真の「ジパングウェイ」を見いだす。
木崎伸也によるサッカー日本代表のフィクション小説。イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。
 日本サッカー連盟所有の「未来フィールド」の2階には、記者会見やチームミーティング用のカンファレンスルームがある。
 今から玉城迅はそこで秋山大監督に会う。
 日本の救世主になるために――。

 玉城が戦術変更の進言を思い立ったのは、焼肉店で一宮光からチームの現状を聞いたときだった。
「監督から細かい指示がない」
「フィードバックがしょぼい」
「監督がバカにされている」
 ワールドカップ(W杯)を半年後に控えた日本代表にとっては明らかにピンチだろう。だが、初招集の玉城にとってはチャンスだ。もし戦術が変更になれば、序列が変わり、新人がつけ入る余白が生まれる。
 もちろん玉城も進言にリスクが伴うことはよくわかっている。過去の事例を学ぶためにネットで検索すると、3件の「事件」が出てきた。
 1つ目は2014年ブラジルW杯の大会中だ。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載。

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