守田英正が語るCLでの経験とカタールW杯「日本代表でも自分が中心になって…」

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守田にとってCLは特別な大会

守田英正「CLアンセムはすごかったです。アンセムが流れ終わった後の歓声、あの興奮が忘れられなくて」 【提供:WOWOW】

 耳に聞こえてきたのはあの音楽だった。

 守田英正は前を真っ直ぐに見つめた。視線の先に、讃歌を口ずさむサポーターが見える。

 はじめてチャンピオンズリーグ(CL)のアンセムを耳にしたのはいつのことだろう。
 テレビ画面越しに聞いた若き日の記憶が脳裏をかすめる。旋律はやがて高まりを迎え、スタジアムは歓声で包まれた。

 気がつけば鳥肌が立っていた。

 そこまでの興奮を覚えたのは久しぶりのことだった。緑のサポーターの声援を背中に浴びながら、守田はチャンピオンズリーグのピッチへとゆっくり歩を進めていった。

「CLアンセムはすごかったです。アンセムが流れ終わった後の歓声、あの興奮が忘れられなくて」

 昔から彼にとっては特別な大会だった。

「CLに出場して活躍するのが目標だった」

昨季まで所属したサンタクララは、大西洋に浮かぶ小さな島のクラブだ。お世辞にも恵まれた環境とはいえなかった 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 守田がCLを見始めたのは小学生の頃だ。特定のクラブを追っていたわけではない。ミランにインテル、バルセロナにレアル・マドリード。欧州の頂点をかけて戦うビッグクラブの激突には、他のどんな試合にもない独特の華やかさがあった。
 
「あの頃のCLに出ていた選手で好きだったのはミランのセードルフです。力強い中にも技術の高さが見えて、点が取れる選手。兄と一緒にやるウイニングイレブンでも、セードルフをよく使っていました」

 いつか自分がその舞台に立つことになるとは、当時は考えていなかった。そのキャリアで一貫して続けてきたように、目の前の試合に集中し課題を修正しながら、守田は少しずつ階段を上っていった。

 わずか半年前ですら、彼がいたのは陽のあたるチャンピオンズリーグからはかけ離れた場所だ。

 昨季まで所属したサンタクララは、大西洋に浮かぶ小さな島のクラブだ。1部残留を目指す少クラブ。スタジアムは田舎の運動公園で、クラブ施設も最低限のものだ。お世辞にも恵まれた環境とはいえなかった。

 CLに出るビッグクラブでプレーするという思いを胸に、守田は島での日々を戦った。

「ベンフィカ、ポルト、スポルティングのビッグ3やブラガに認められることがステップアップだと。クラブレベルで最高の大会CLに出場して活躍するのが目標だった。そこにチャレンジする気持ちも込めて、今季移籍を決めました」

W杯前にCLを経験できたことは大きなプラス

CLの舞台で鎌田大地(フランクフルト)と対峙した守田。数週間後には日本代表のチームメイトとしてワールドカップを戦うだろう 【写真:アフロ】

 憧れの場所はやがて現実となり、守田はCLの舞台に飛び込んだ。何もかもが新たな経験だった。

「CLで実際にやってみると映像以上の迫力があった。スピード感、パワー、圧力、緊張感を思っていた以上に感じて。そこでいま自分に求められるのは、どれだけスコアに絡んでいけるか。それは僕自身が課題としていた部分でもある。今後もっと期待してほしい部分です」

 力強い中にも技術の高さが見えて、点が取れる選手ーー。守田はセードルフのことをこう表現していた。中盤の中心に君臨する、トータルなミッドフィルダーへの道を彼は確かに進んでいる。

 高いレベルで戦う日々は、新たな自分を知るきっかけにもなった。

「もっとリスクを犯していいんじゃないかなと。ミスしないことにとらわれるのではなく、いざそこをかいくぐったときに得るものを考えると、リスクはとってもいい。考え方としてそう変わってきている。スポルティングに来たことが、自分の新しい一面を知る機会になった。今はそこが楽しい」
 グループリーグで特に印象に残ったのはソン・フンミンにハリー・ケインら、トッテナムのアタッカーだという。フランクフルト戦でぶつかった鎌田大地とは、数週間後には日本代表のチームメイトとしてワールドカップを戦うだろう。

 ワールドカップ前にCLを経験できたことは、守田にとっても大きなプラスだった。

「日本代表では個人的にはまだ強豪国とは試合ができていないから、CLで格上や強豪に対して圧や緊張を感じながらどれだけ自分がプレーできるのかを大会前に知る必要があった。それを経験できているかどうかでは違う」

 かつて憧れた舞台で感じたものがある。それらひとつひとつの感覚を肌に残したまま、守田はもうひとつの目標に挑もうとしている。

「僕はもうお客さんじゃない。日本代表の中心選手だと自分で思っているので、チームを少しでも上に導いていけるように。自分がそういう選手になりたいと、常々思っている。このクラブでやっていることや経験を生かして、代表でも自分が中心になってまとめていければなと思います」

(取材・文:豊福晋)
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