現役時代は中日、巨人で活躍し、現在はNTT東日本のコーチとして有望なアマチュア選手達をチェックし続けている井端弘和さん。そして、年間300試合以上アマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組の解説者としてもおなじみの野球ライター・西尾典文さん。このお二人に、ここまで3回の対談でまだ名前のできていない、注目選手達について語っていただきました。

――ここまで3本の対談の中で、名前の出てこなかった選手について伺いたいと思います。まずは高校生からですけども、有名なところで言いますと甲子園でも大活躍した近江高校の山田陽翔投手。

西尾　井端さんは甲子園をご覧になって、山田君はどうでしたか？

井端　いやなんか、うーん、良い素材であるのは間違いないですけど、どう手をつけていいのか分からないなっていう感じですね。

西尾　おぉ、なるほど。

井端　打つのも力があってホームランも打てるんですけど「二刀流なの？」っていうのもあるし。

西尾　多分、本人はまずはピッチャーで、って思っていると思いますけどね。

井端　ピッチャーならピッチャーで下位なら十分入ってくるとは思うんですけど、上位でといったらちょっと物足りなさはあるかなっていう気がしますね。

西尾　僕も甲子園でスカウトの方と話していたら、大体同じような感触の話になりましたね。

井端　バッターはバッターでいっても、もう一つ（何か）欲しいな、というところかなと思います。

西尾　見ていると、中日の藤嶋健人投手にイメージが重なる気がしますね。藤嶋投手もバッティングが良かったし、ああいうリリーフで生きていった方が気持ちも強いのでいいのかなと。でもいきなりリリーフタイプの高校生を上位で獲るかというと、なさそうな感じはしますよね。変化球とかは高校生ではかなりいいと思いますけどね。

――続いて、常葉大菊川高校の安西叶翔投手。