F1 2022年シーズン日本GP特集

フェルスタッペン2年連続F1優勝の舞台裏 ホンダ関係者が明かす

柴田久仁夫(auto sport)

昨年に続き、2年連続でドライバーチャンピオンを獲得したフェルスタッペン。「ホンダの母国で、勝ってタイトルを決められたことが何よりうれしい」とその思いを口にした 【Red Bull Content Pool】

 創業60年目の鈴鹿、3年ぶりのF1。3日間で延べ20万人が訪れた今年の日本GPは、冷たい雨に翻弄(ほんろう)された。そんな波乱の展開を象徴するかのように、レース後のパルクフェルメ(決勝後に車両を保管・検査する場所)では“ひと呼吸”おいたあとに、フェルスタッペンの歓喜の雄叫びが響いた。

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 大雨に見舞われた3年ぶりの日本GPは、3周目に赤旗中断。約2時間後に再開されたレースは、全28周で決着がついた。優勝マックス・フェルスタッペン、2位シャルル・ルクレール、3位セルジオ・ペレス。F1で初の母国レースとなった角田裕毅は13位に終わる。

 ところが表彰式の直前に、ルクレールに5秒ペナルティが下った。最終周のシケインをショートカットして、ペレスの前でコース復帰したことが、不当にアドバンテージを得たという裁定だった。これでルクレールは3位に降格し、その瞬間フェルスタッペンの2年連続のドライバーズタイトル獲得が決まった。

 ところが表彰台の下に集結したレッドブルスタッフの少なからずは、状況を飲み込めていない表情だった。レッドブルに全戦帯同しているホンダの吉野誠チーフメカニックに、その瞬間のことを尋ねてみると「あの時点で喜んでいる人たちは、半分くらいのイメージでしたね」と明かしてくれた。

ハーフポイントか? フルポイントか?

スタートでは、1コーナーまでにシャルル・ルクレールの先行を許したフェルスタッペン。しかし、「ウエットコンディションでは、グリップのいいアウト側」のラインから抜き返し、トップの座を明け渡すことはなかった 【Red Bull Content Pool】

 どういうことかといえば、本来53周だったレースが28周で終わったことから「優勝しても獲得ポイントは19ポイントだ」と彼らは思ったからだ。

 前戦シンガポールGP終了時点で、フェルスタッペンとルクレールのポイント差は104だった。日本GP後の残り4戦での最大獲得ポイントは112。つまりフェルスタッペンが鈴鹿で112ポイント差以上を付ければ、残り全戦でリタイアしてもフェルスタッペンのタイトルが確定する。具体的には鈴鹿でフェルスタッペンが優勝した場合、ルクレールが3位に入ってもその差は113に広がって、ルクレールの逆転の可能性は消える。

 しかし28周では1位19ポイント、3位12ポイントであり、その差はわずか7ポイント。両者の差は111ポイントしか広がらず、1ポイント足らない。そのためタイトル獲得は次戦以降に持ち越される。われわれジャーナリストのみならず、レッドブルの少なからぬスタッフがそう思い込んだのだった。

 だが実際には、ポイント配分は通常通りだった。ハーフポイントになるのは、規定周回数の半分を越えたものの、その後レースが中断されて終了した場合に限られる。今回はあくまで3時間ルールで周回数が制限されただけで、中断による終了ではない。したがって、ポイントは従来通りというわけだ。

 優勝したフェルスタッペン自身、表彰台に向かう前の控室でも「まだタイトルは決まっていないみたい」と半信半疑だった。しかしタイトル確定が確かだと分かると、スタッフたちと改めて喜びを爆発させた。

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