F1 2022年シーズン日本GP特集

角田裕毅の日本GPを忖度ナシで予想 初めてF1マシンで鈴鹿を走る影響は?

柴田久仁夫(auto sport)

3. 鈴鹿が授けるプラスアルファの力

F1ドライバーになって初めて母国で走る角田。歴代日本人ドライバーがそうだったように、ファンの存在は想像以上に力になるようだ。現地から、画面の前から、ぜひ角田の雄姿を見届けてほしい。 【Red Bull Content Pool】

 F1で2年目の角田にとっては、こうした自信、言い換えれば『自分を信じる気持ち』が、最大の武器になると筆者は感じている。まだまだ経験を積む必要はあるとはいえ、角田のドライビング能力自体は、充分にF1で活躍できるレベルだ。そこはレッドブルのヘルムート・マルコ博士を始め、誰もが認めている。

 一方で角田自身は、まだこの世界で認められていないと感じているのではないか。まだ証明すべきものがある、チームメイトには負けられないという気持ちが、時に限界を越えるドライビングにつながってしまう。その意味では、シンガポール前に発表された来季の残留決定は、精神的にプラスになったはずだ。予選での素晴らしい速さは、まさに100%コース上の走りに集中できたからこそだろう。そして母国での凱旋レース、サーキットを埋めた観客のほぼ全員が自分を応援してくれているという初めての経験も、本人の想像以上に大きな力になるはずだ。

 思えば2010年の小林可夢偉も、当時のザウバーの実力では鈴鹿での入賞は厳しいと誰もが予想していた。ところが14番グリッドからスタートした決勝レースでは、ヘアピンで先行車をオーバーテイクしまくって7位入賞を果たした。非力なマシンではここしか抜きどころがないという可夢偉の冷静な判断があったのは確かだが、母国ファンの熱い声援にプラスアルファの力を得たことは間違いない。

 今季何度も悔しい思いをしてきた角田が、日曜日の鈴鹿で最高の笑顔を見せてくれることを期待したい。

(構成:オートスポーツ編集部)

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