「甲子園史上最高の二塁手」 町田友潤の華麗な守備を支えたのは責任感と恐怖心
常葉菊川の二塁手として4季連続で甲子園に出場。その卓越した守備力から「甲子園史上最高の二塁手」と評された 【写真は共同】
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もともと守備は苦手だった
2008年の全国高校野球選手権。常葉菊川は大阪桐蔭に敗れて準優勝となったが、決勝の実況で名言が生まれた。「セカンドに打ってしまえば望みはありません」。
当時3年生だった町田さんにとっては春夏合わせて4度目の甲子園。誰もが安打だと思った打球を何度もグラブに収め、アウトを積み重ねた。二塁方向へ打球が飛ぶだけでスタンドから歓声が上がるほど、町田さんの守備に対する期待値は高かった。
最後に聖地でプレーしてから14度目の夏を迎えた。中学時代から苦しんでいた腰痛の影響もあって、ヤマハに所属していた2013年に23歳で現役を引退。今は浜松市で放課後等デイサービスと児童発達支援の事業所を計4つ運営している。野球から離れて9年が経っても、「伝説の二塁手」の守備は色褪せない。だが、町田さんは「もともと守備は苦手だった」と明かす。
「中学の時は1番打者で、打撃のほうが得意でした。守備は全然、駄目でしたね。チームもあまり強くなかったので、先のステージを考えていませんでした。自分とは縁がないと思って、甲子園もほとんど見ていませんでした」
中学時代、シニアのチームメイトは甲子園で高校野球を観戦したり、雑誌で見た高校球児と同じメーカーの野球用品を使ったりしていた。しかし、町田さんは興味が沸かなかったという。
責任感と危機感から徹底的に守備を磨いた
初めて甲子園の舞台に立った2年春に、常葉菊川にとって初の全国制覇に貢献。冬場に徹底的に守備を鍛え、聖地で躍動した 【写真は共同】
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